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【女子ゴルフ】トップ選手が次々に米ツアー参戦を果たすなか、日本女子ツアーの今 「試合展開が面白い」 (2ページ目)

  • 古屋雅章●取材・構成 text by Furuya Masaaki

 というのも、私がゴルフをやり始めた時には、師匠の井上清次先生と『打倒・樋口久子』を掲げてやってきて、樋口さんのような強い選手がトップに君臨しているからこそ、それを追う選手たちの技術も上がっていく、ということが実感できました。ですので、ツアーのリーダー的な存在になることでの重圧の大きさもよくわかります。

 近年は、2022年、2023年の女王・山下さんがそういった存在になっていて、昨年はそこに竹田さんが加わってきました。そのふたりが抜けてしまった今、佐久間さんが初優勝した年に、いきなりそういったリーダー的な立場になってしまったわけです。

 しかも、佐久間さんは他を圧倒するという雰囲気はなく、どちらかというとおっとりしたタイプ。ですから、いきなり"ツアーの顔"になるのは、酷なことかなと思ったのです。

今季ツアー初優勝を飾った佐久間朱莉。現在メルセデスランキングトップを快走中 photo by Getty Images今季ツアー初優勝を飾った佐久間朱莉。現在メルセデスランキングトップを快走中 photo by Getty Imagesこの記事に関連する写真を見る ただ夏場を迎えて、実力者の小祝さくらさんと河本結さんが優勝。メルセデスランキングは佐久間さんがトップに立っていますが、3位に小祝さん、4位に河本さんが続いて(※2位はAIG女子オープンを制した山下)、ゴルフの実力を表わしている平均ストロークは、小祝さんが1位で、河本さんが2位と、佐久間さん断然という状況から、小祝さん、河本さんとの三つ巴の争いとなりました。

 そうした変化によって、佐久間さんは"トップ"という意識から少しは解放されているかもしれませんね。残念ながら、その後に小祝さんが手首の故障で戦線離脱してしまったのですが、河本さんは「黄金世代」で発信力のある選手です。佐久間さんとともに、山下さん、竹田さんらが抜けた今季ツアーの後半戦を引っ張っていってくれるのではないでしょうか。

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