西村優菜「こんなにレベルが高いんだ」 苦しかった米ツアー1年目「何が正解なのかわからなくなった」 (2ページ目)

  • 柳川悠二●取材・構成 text by Yanagawa Yuji

――西村プロにとっての初戦、ドライブオン選手権(アリゾナ州)は予選落ちでした。

西村 アリゾナのグリーンは固くて、練習ラウンドでは自分のなかで「難しいコース」という印象だったんです。ところが、いざふたを開けてみると、予選通過のカットラインがアンダーパーだった。自分の予想と周囲の結果がズレていて、「アレ?」という感じでした。

 それで、試合のプランニングに狂いが生じました。「こんなにレベルが高いんだ」と。ロングヒッターが多い米ツアーの選手は、自分とはまったく違う戦い方をして、難しいコースでもアンダーパーカットになるぐらいスコアを伸ばすんだな、と改めて思いました。

 日本の難しいコースならセッティングを含めて、守りに入りながら我慢のゴルフを続けてチャンスを待てばよかった。それでは通用しないということを痛感した初戦でした。

――そこから、1回目のリシャッフル(5月)までにはアジャストできたのでしょうか。

西村 リシャッフルまでの試合は、ほぼ全試合と言っていいぐらい、初日のスコアが悪かったんです。今になって振り返ると、練習ラウンドで感じたコースの印象とスコアがマッチしないことが続いたから、弱気に初日を迎えてしまっていたんだと思います。

 序盤戦はもう、ゴルフがぜんぜんダメで。自分の強みでもあるショットがまったく戻ってこなかったし、固いグリーンをどう攻略するのか、迷いもずっとありました。初日の予選通過圏外から、どうやって予選を通過するか。そのことばかりを考えていました。

 なんとか、リシャッフルはクリアしましたけど、ゴルフのスキルが上がったというよりは、もがきながら、気合で一打、一打諦めずにプレーした結果だったと思います。

――米ツアー初挑戦で、ラウンド経験のないコースばかりだったと思います。それが、混乱の要因でしょうか。

西村 そうですね。毎週、月曜日に入って練習ラウンドを行なってはいたんですが、コースを難しく感じてしまっていましたね。日本ツアーから米ツアーに挑戦したギャップだったと思います。毎試合、コースの雰囲気も違うし、毎週違った難しさを感じていました。

――毎試合、月曜日に練習ラウンドを行なっていたんですか。

西村 シーズン序盤は、(水曜日に行なわれる)プロアマ戦の出場メンバーに入れず、水曜日にラウンドすることができなかったので、月曜と火曜にラウンドするサイクルでした。また、マンデートーナメントから参加するかもしれない試合もあったので。

――日曜日に試合を終えて、すぐに次週のコースに移動して月曜日からラウンドするなんて、日本では考えられなかったことではないですか。

西村(月曜日から)ラウンドするとしても、メジャー大会ぐらいでした。アメリカはほとんど4日間競技なので、知らないコースは月曜日に入っていましたね。

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