無名の女子高生が渋野日向子らとプレーオフ。女子ツアーに現れた「大器」佐藤心結は歴戦のプロをしのぐ飛距離が武器 (2ページ目)

  • 柳川悠二●取材・構成 text by Yanagawa Yuji
  • photo by Getty Images

――初日に自己ベスト「66」に迫る「67」をマークして、2位タイと好スタートをきりました。2日目も「69」で回ってトップタイ。最終日は最終組でのラウンドとなりました。

「私はスロースターターで、3日間や4日間の競技だといつも初日のスコアが悪いんです。おそらく緊張によって、体が思うように動かなかったりするからだと思います。

 そうやって初日に出遅れることで、逆に開き直れるというか、改めて気を引き締めることで、2日目以降に好成績が残せるような気がします。ですから、スタンレーレディスの初日の結果は、自分でもびっくりでした。

 2日目は出だしの3ホールがバーディー、バーディー、イーグル。コーチからは『自己ベストを狙っていこう』と声をかけてもらいました。その後はなかなか伸ばせなかったんですけど、そういうコーチのひと言が私をラクにしてくれました。

 でもその結果、最終日を最終組で迎えるなんて......。もちろん、プロの試合では初めてでしたから、朝イチ(1番ホール)のティーショットはさすがに緊張しました」

――最終日のラウンド中、優勝を意識した瞬間はありましたか。

「(試合を見ている)みなさんは、『アマチュアだから、いつか崩れるだろう』という感じでご覧になっていたかもしれませんが、私自身は目の前の一打、一打に集中できたら、結果は自ずとついてくると思っていました。

 スコアを気にしながらも、極端に気にしすぎることはなく、淡々とプレーできました。(最終日の)前半を終えてトップに立っていることも知って、『もしかしたら、優勝できるんじゃないか』とは思いましたね(笑)」

――佐藤選手が憧れている畑岡奈紗プロも、アマチュア時代に日本女子オープンを制してプロ入り。ご自身も、そういった形を狙っていましたか。

「もちろん『優勝したい』とは強く思っていました。でも、それがどれだけすごいことなのか、どれほど大変なことなのか。そこは、自分でもよくわかっていたつもりです」

――優勝の行方は、通算10アンダーで並んだ渋野日向子プロ、ペ・ソンウプロ、木村彩子プロ、そして佐藤選手の4人によるプレーオフに突入。最終的に渋野プロが2年ぶりの優勝を飾りました。渋野プロと一緒に回っていかがでしたか。

「体も大きくて、身長も高くて、下半身がしっかりしていました。気持ちの強さ、自信が満ちあふれていて、『オーラがあるな』と感じました。"ここぞ"というところで決められる選手で、『強いな』とも思いました。

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