【木村和久連載】「6月の疾風」はゴルフ業界にどんな影響をもたらすか (4ページ目)
そうした状況になって、ゴルフ週刊誌を読む楽しみは、レギュラー記事となり、一番の売りは案外漫画だったりします。『週刊パーゴルフ』のライバル誌『週刊ゴルフダイジェスト』は、『オーイ! とんぼ』というゴルフ漫画が大人気で、それが部数増大に貢献したと言われています。
『週刊パーゴルフ』も、ある巨匠原作の連載漫画を投入し、『週刊ゴルフダイジェスト』を追撃しようという矢先だったそうです。とても残念です。
とにかく、週刊誌は宣伝面においてもハンデを背負いがち。広告を出すにしても、月刊誌なら月1回で済むけど、週刊誌だと月4回出す必要がありますからね。単純計算で、広告料だけでも4倍かかる計算になります。しかも、雑誌の版型は月刊誌のほうが大判で見やすく、最小の投資で効果を得やすいんですな。
現在ゴルフ業界は、スター選手の活躍が際立って、コロナ禍によるアマチュアプレーヤーの増加で盛況を博しています。ゴルフ場をはじめ、練習場やショップの売上が増加し、バブルに近い勢いを見せています。
その最中、老舗週刊誌の休刊はちょっと痛いですよね。
なにしろ今、たくさんの広告が入る可能性があるスポーツ雑誌はゴルフ以外にありませんから。クラブメーカー、ボールメーカー、ウエア関連、小物関連、ゴルフ場の営業、会員権屋さん、ゴルフツアー関連、そしてゴルフ量販店など、ゴルフ関連会社がふんだんに広告を出しています。
ゆえに、やり方にはよっては、ゴルフ媒体はまだまだ生き残ることができると思っています。それが、月刊誌なのか、ウエブサイトなのか、まだ見えませんが、次なる展開をしっかり見届けていきたいです。
木村和久(きむら・かずひさ)
1959年6月19日生まれ。宮城県出身。株式をはじめ、恋愛や遊びなど、トレンドを読み解くコラムニストとして活躍。ゴルフ歴も長く、『週刊パーゴルフ』『月刊ゴルフダイジェスト』などの専門誌で連載を持つ。
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