【木村和久連載】松山英樹のマスターズ優勝はゴルフ業界をどう変えた (4ページ目)

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

 そして、そうやって高い料金を払ってくれるビジターの代表格が、新しくゴルフを始めた若者たちなのです。

 そんな若者たちが、メンバーコースをネットで予約して、せっかくの休みに2万円も払ってラウンドしていたら、メンバーらしき見知らぬオジサンから「ポロシャツの裾をズボンの中に入れて」なんて、注意されることが起こります。

 そのあたりの軋轢は、どっちがどうとは言いません。けど、今後はもっとビジターに優しいゴルフ場というスタイルで運営していかないと、ビジターが逃げてしまいます。

 倶楽部の品格を守るのも大事ですが、そもそもの経営が成り立たなくなっては、元も子もありません。メンバーさんたちの意識改革も必要になってくるでしょうね。

(4)ビジターへの対応
 そんななか、ビジター同士では「あのコースは口うるさくない」とか「フロントで呼び止められて注意された」などと情報交換をして、比較的行きやすいコースを選んでいます。

 翻(ひるがえ)って、コース側も建前は「倶楽部に相応しい恰好でご来場をお願いします」としていますが、ビジターが多い現在、服装が乱れているからといって、追い返すことはありません。

 今後は、ますますビジターの数が増える一方。そろそろ、ビジター用の服装マニュアルやローカルルール(オール6インチプレースプレー等)などを緩く定めて、ビジターを来やすくさせる。それぐらいしても、よろしいかと思うんですよね。

木村和久(きむら・かずひさ)
1959年6月19日生まれ。宮城県出身。株式をはじめ、恋愛や遊びなど、トレンドを読み解くコラムニストとして活躍。ゴルフ歴も長く、『週刊パーゴルフ』『月刊ゴルフダイジェスト』などの専門誌で連載を持つ。

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