日向娘・永峰咲希が女子プロ制覇。支え続けた両親へ感謝の言葉があふれ出た (3ページ目)

  • 柳川悠二●取材・文 text by Yanagawa Yuji
  • photo by Getty Images

 一方で、父親の賢一さんに対しては、また違った感情を吐露した。

「ジュニアの頃から、どちらかというと嫌われ役になってくれて、ネチネチ、ネチネチ(ゴルフに関する)嫌味を言ってくれた(笑)。私は"何くそ精神"みたいなのが出ないほうだったので、父がそうやって嫌味を言うことで、私の闘争心に火を付けてくれた。『次、ラウンドする時までにこれをできるようになっておこう』と見返そうとする、原動力にもなっていた。今振り返ってみると、父に言われたことで間違っていたことは一個もないです」

 渋野日向子をはじめとする1998年度生まれの「黄金世代」や、安田祐香ら2000年度生まれの「プラチナ世代」、さらには2001年度生まれの「新世紀世代」まで登場して、その代表格である笹生優花はすでに今季2勝を挙げている。若い世代が台頭する現在の女子ゴルフ界だが、永峰もプロテストの同期には、柏原明日架や堀琴音らがいる「花の14年組」だ。

 とりわけ柏原は、同じ宮崎の出身で、小学生の頃からしのぎを削ってきたライバルであり、大切な仲間だ。永峰は、柏原のようにスケールの大きなゴルフではなく、精度の高いショットで堅実なゴルフを持ち味とする。また、ビジュアルも、派手な柏原と比べれば、木訥(ぼくとつ)な印象を受ける。しかし、プロとなって永峰は同期で最初に優勝を遂げ、メジャー制覇も一番乗りだ。

「闘志を出す子もいれば、陰で努力する子もいる。(同期から)すごくいい刺激をもらっていたと思いますし、先に勝つことを競っているわけじゃないけど、きっとこの私の優勝で、同級生もエンジンをかけてくると思う。それに押されないように、私もまたがんばっていきたい」

 次々と台頭する若い世代に抵抗するように、25歳ながら中堅に位置づけられる永峰が、今季初の公式戦で優勝を遂げた。

 まさに百花繚乱の女子ゴルフ界を象徴するような出来事だった。

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