【木村和久連載】紙媒体とWeb。
ゴルフメディアの実情を探ってみる (4ページ目)
(3)コースの予約
ゴルフ総合サイトの、もうひとつの稼ぎは、ゴルフ場の予約です。
今や、古き良きメンバーシップのコースなんて、数えるほどしかありません。それらを除けば、ほかは"なんちゃってメンバーコース"で、予約サイトに頼って集客しているのが現状です。
予約サイトは、その営業力の高さから、なかなか予約できない名門コースも、特別なコネで予約できるとか、あり得ない値段で何組かの予約を抑えられるとか、あの手、この手で、お客さんを引っ張ってきて、離さないようにしています。
そうした予約サイトも、今では大手IT企業の予約専門サイトが人気で、ゴルフ総合サイトとガッツリ競合しています。さらに、最近ではゴルフ場自体がネット会員を募り、安い値段で予約できるようにして、顧客獲得競争に拍車がかかっています。つまり、「アパ直なら最安値」的な売り方をしているコースがあるのです。
また、100以上のコースを抱える大手ゴルフ場グループは、自らの予約サイトで、ポイントをたんまりつけて顧客を獲得していますからね。ゴルフ人口が減っている現在、もはや「ネット予約戦国時代」と言っても、過言ではありません。
そんなわけで、ゴルフ媒体において、紙とネットの売り上げを比較すると、今やネットのほうが圧倒的に多くなっています。
じゃあ、紙媒体はヤバいんじゃないか?
たしかにそうですが、ゴルフというスポーツにおいては、自らプレーするのも、さまざまなニュースや情報などを欲するのも、いまだページをめくる雑誌が好きなオヤジたちが大多数。購買層であるその世代が元気なうちは、まあ大丈夫だろうと。
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