【木村和久連載】有名ゴルファーから学ぶ、我が「ゴルフの処世術」 (3ページ目)

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

 我々はずっとアマチュアのままですので、金谷選手のスケールとは大差がありますが、我々アマチュアも海外旅行などでゴルフをすることはいい経験というか、結構大事なことだと思います。ゴルフを文化として捉えることができますからね。

 国内であっても、北海道や沖縄に行ってゴルフをすると、植生の違いに手こずることが多いです。そういう経験を積んでいると、プレーの幅が間違いなく広がります。アプローチショットにしても対処法が増しますし、難しいライを見ても悩まずに済みます。

 また、金谷選手の立ち位置は、我々アマチュアに対して、場違いな試合やコンペには出るべきではない、ということを教えてくれている――そんな気がします。自分の手に負える範囲内でのエントリーって、とても大事なことです。

 以前、何を血迷ったのか、私は日刊アマの予選に参戦。大利根カントリークラブのフルバックからプレーして憤死しました。

 簡単に言えば、どのミドルホールもナイスショットしたところで、パーオンできません。たまたまダブルスの試合でしたから、恥をかきながらも何とか帰途に着くことができましたが、あれが個人での出場だったら、「何しに来たの?」という冷ややかな視線を浴びて、立ち直れないほど落ち込んでいたと思いますよ。今でも、なんでエントリーしたのか、自分でも謎ですね。

 あと、呼ばれたからといって、自らの仕事や関わりとはまったく関係のない業種や集まりが主催するコンペに行くと、浮きまくります。コンペに参加するなら、スコアはともかく、自分の存在が少しでも認知されるようなコンペにエントリーするのがいいと思いますよ。

 たとえば、飲食店をやっているのに、銀行関連のコンペに行くとか。まったく人種が違いますし、そんなところで顔色をうかがっても、融資には一切関係ありませんからね。

 というわけで、金谷選手の活躍からは、自分が一番輝くコンペに出場し、場違いなラウンドは断ろう――そういう処世術を学びました。

●タイガー・ウッズの復活に見る
 タイガー・ウッズは、歴史的なスーパースターです。その復活劇を見て思うのは、そんな彼でもスランプというか、苦難の時期がある、ということです。

3 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る