【木村和久連載】有名ゴルファーから学ぶ、我が「ゴルフの処世術」 (2ページ目)

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

 我々は所詮アマチュアでしょ。へんてこなスイングをしている人は結構いますけど、「見た目は変でも理に適っているぞ」とは、なかなか言い返せませんから。それも、五十肩になって、体が自由に動かせないなか、無理をしてゴルフをして笑われるって、なんだかなぁ......。

 ゴルフって、結局は健常者のスポーツというイメージなんですよね。そう思っている人が多いのが悲しいです。

 そのうえ、変なスイングのヤツをあざける――それで、「紳士のスポーツ」なんて言っているんだから、ちゃんちゃらおかしいですね。

●金谷拓実選手の立ち位置
 金谷拓実選手は、ガース・ジョーンズ(日本ゴルフ協会ナショナルチームのヘッドコーチ)の教え子にして、日本のアマチュアゴルフ界の至宝です。現在は東北福祉大の学生で、アマチュアだからこそ可能な、おいしいポジションをフルに活用して活躍しています。

 今年は、昨年のアジアパシフィックアマチュア選手権を制して、マスターズに出場。見事に予選ラウンドを突破して、3日目を終えた時点ではローアマを狙えるポジションにいました。結局、最終日に崩れてしまい、2011年に日本人初のローアマを獲得した、東北福祉大の先輩・松山英樹選手に続く快挙達成はなりませんでしたが、その奮闘ぶりは際立っていました。

 いずれはプロになると思いますが、今の金谷選手の立ち位置は決して悪くありません。アマチュアだからエントリーできる国際大会が山ほどありますからね。しかもそこでは、将来PGAツアーを背負って立つような、強い選手と渡り合えます。そうやって切磋琢磨できる現状は、金谷選手がプロになって、さらにはPGAツアーへ進出していくうえで、とてもいい経験になるのではないでしょうか。

 もちろん、さっさとプロになって、国内ツアーに出場し勝ち星を重ねていく戦法もありますが、その戦法はもはや古いと思います。国内で"番長"になってから世界に進出していくやり方は、伸びしろがないように思えます。あくまでも結果論にすぎませんが......。

 今の時代、若い時の海外経験が非常に大事だと思います。繰り返しになりますが、アマチュアだからこそ出場できる海外の大きな試合もあるわけで、金谷選手にとっても、この体験が後々大いに役立つはずです。

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