試行錯誤しながら日本で奮闘中。美人プロ、セキ・ユウティンの挑戦 (4ページ目)

  • 吉田洋一郎●文 text by Yoshida Hiroichiro

 だからといって、昨季の彼女の"挑戦"が間違っていたわけではない。あくまでも、素直で吸収力の高い選手だったため、問題が生じてしまったにすぎない。逆に言えば、そういう選手であればこそ、適切な取捨選択を行なって、じっくりと腰を据えて"核"となる技術を身につければ、大いなる飛躍が見込める。そんな日が早く来ることを期待したい。

 ちなみに、マンシングウェアレディース東海クラシックを制したのは、最終日にセキが失速する一方で、スコアを大きく伸ばした香妻琴乃(26歳)だった。ここ数年はシードを喪失するなど、苦しいシーズンを送っていたが、少ないチャンスを生かして念願のツアー初優勝を果たした。

 プロ入りして8年。彼女にとっては、長く険しい道のりだっただろうが、これまでのあらゆる経験が"糧"となったことは間違いない。

 プロも、アマチュアも、ゴルフの成長は右肩上がりの直線ではない。進んだと思ったら後退し、そしてまた何かを得て進む。

 セキは今後、日本国内のステップ・アップ・ツアーや、中国で行なわれる米女子ツアーの試合に出場。そのあと、日本のQTを受けて、来季のツアー出場権獲得を目指す予定だ。今回もトップ10フィニッシュはならなかったが、日本ツアー初の最終日最終組という経験が、次のステップへの糧となったはずである。

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