アンカーリング禁止から2年、パター変更に泣いた面々が復活し出した (3ページ目)

  • text by Reiko Takekawa/PGA TOUR JAPAN
  • photo by PGA TOUR

 当然、それまでアンカーリングで打っていた選手たちは、変更を余儀なくされることになる。そうした状況にあって、ブラドリーも出口の見えない"迷路"にはまっていったという。

「パターを替えることは、本当に大変だった。まるで、はしごを外されたかのように(調子が)落ちていったからね。そんな状態でライダーカップやプレジデンツカップを戦わなければいけないことがつらかった。通常の長さのパターを持つと、どうやって打っていいのか、わからなくなってしまった......」

 パッティングの不振により、ブラドリーはショットまでおかしくなってしまった。おかげで、2016年は11試合で予選落ちを喫した。

 そんなブラドリーが試行錯誤の末にたどり着いたのは、通常のパターよりも長い中尺パターを腕に沿わせて打つ、"アームロック"というスタイルだった。

 それは、同じくパターの変更を強いられたシンプソンとほぼ同じスタイル。シンプソンも長尺パターからの移行によって勝利から遠ざかっていたが、同スタイルを確立して今年5月、「第5のメジャー」と呼ばれるプレーヤーズ選手権で4年ぶりのツアー優勝を飾った。

 こうして、今年はアンカーリングから新たなスタイルを見いだした選手たちが、ようやく復活の兆しを見せ始めている。ブラドリーが語る。

「シンプソンの打ち方は、ずいぶんと勉強になった。そして、彼のプレーヤーズ選手権での勝利で、この打ち方に大きな自信を得ることができた」

 アダム・スコットも勝利にはまだ届かないが、一時の低迷からは脱出。全米プロで3位となって、プレーオフ初戦のザ・ノーザントラストでも5位と健闘している。

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