10億円をかけた世紀の対決へ、早くも火花散らすウッズとミケルソン (3ページ目)

  • text by Reiko Takekawa/PGA TOUR JAPAN
  • photo by PGA TOUR

 今や、ジョーダン・スピースやリッキー・ファウラーなど、若手人気選手が続々と登場しているが、それでもアメリカでは、ウッズやミケルソンの人気のほうが断然高い。ふたりともすでに「全盛期は過ぎた」と言ってもおかしくないが、ゴルフ界を長年支えてきた"両雄"だからだろう。オーガスタでも、大勢のパトロンがふたりの練習ラウンドを取り囲んでいた。

 それは、このふたりが一緒にラウンドすること自体、アメリカのゴルフファンにとっては驚きだった、ということもある。ウッズがプロデビューした1996年からおよそ20年余り、ふたりは「最大のライバル」として見られ、一時は"不仲説"まで流れていたからだ。

 ゆえに、両者が顔をそろえることは珍しく、非常に貴重であるがために、多くの人々の関心を集める。無論、今回の対決も大いに注目を浴びている。

 42歳のウッズと48歳のミケルソン――互いに紆余曲折を経て、多くの月日が流れると、ふたりの間には"友情"が芽生えていた。

「タイガーの出現でゴルフ界は大きく発展した。賞金も右肩上がりに増えた。その恩恵を受けたのは、僕が一番だったと思う」

 そうミケルソンが語れば、ウッズはミケルソンとの関係について、こう振り返った。

「3年前に腰の手術から復帰したとき、シュートゲームに大苦戦していた。(周囲からは)『イップス』とも言われた。そのとき、フィルが密かに連絡をくれて、いろいろとアドバイスしてくれた。本当にありがたかった」

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