マスターズを「ヒール」として優勝。P・リードの未来は変わるのか (4ページ目)

  • text by Reiko Takekawa/PGA TOUR JAPAN
  • photo by PGA TOUR

 さらに2014年、リードはWGC(世界選手権シリーズ)キャデラック選手権でツアー3勝目を挙げた。その勝利後のインタビューで、「僕はもう世界のトップ5の実力だ」と言って自信をみなぎらせた。

 これがまた、いけなかった。「まだツアー3勝のくせに生意気だ」という評価が世間に広がり、「リードの『トップ5発言』」と揶揄(やゆ)されて、不人気に一層拍車をかけてしまった。

 一方で、プライベートは充実しているように見える。第一子が誕生するまでは、妻のジャスティンがキャディーを務めていた。現在も、妻の弟ケスラーがキャディーを務め、ファミリーの信頼関係の深さがうかがえる。

 子供もふたり目が生まれ、テキサス州ヒューストンに居を構えて、温かい家庭を築いているようだ。

 しかし、リードがグリーンジャケットに袖を通す瞬間、彼の両親や妹の姿はなかった。いつからか、リードは実の家族とは疎遠になっていた。

 その理由はわからない。リードの両親は、コースからわずか数十分ほどの自宅から息子の勝利を静かに見守っていた。

 メディアから「両親がこの場にいなくて残念か?」と訊ねられたリードは、「僕は勝つために、ここに来ただけだ」と答えるのみだった。

 リードと両親との関係については、さまざまな憶測が飛び交っているが、家族にはそれぞれの事情があるのだろう。どうにもならないこともあるのかもしれない。

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