松山英樹が「怖い」と言った暴れん坊、ジョン・ラームが世界2位に (2ページ目)

  • text by Reiko Takekawa/PGA TOUR JAPAN
  • photo by PGA TOUR

 身長188cm、体重101kg。その恵まれた体格から放たれるショットは圧巻だ。平均飛距離は305ヤードで、ツアー20位。無論、この記録にはフェアウェーウッドやアイアンでのティーショットも含まれているため、ドライバーによる実際の飛距離はさらに伸びる。

 現にキャリアビルダー・チャレンジでは、アンドリュー・ランドリー(アメリカ)と4ホールに及ぶプレーオフを演じたが、その際にラームが3番ウッドで放った飛距離と、ランドリーのドライバーショットによる飛距離はまったく同じだった。

 見事にツアー2勝目を挙げたラームが語る。

「スペインから出てきた僕が、世界2位なんて信じられない。ずっと世界で戦うことを夢見てきて、このランキングを達成できたことは、僕だけじゃなくて、母国スペインにとっても本当に大きいことだと思う」

 18歳で渡米した当時、ラームはまったく英語が話せなかった。それが今では、流暢な英語で自らの思いを発信する。

 ところで、ラームはプレー中に感情を激しく表に出す選手として知られていた。ミスをすると、クラブを叩きつけるなどして、怒りを露(あら)わにすることが頻繁にあった。

 その激しさは、いつだったか、同組でプレーした松山英樹が「怖かった......」と漏らしたこともあるほどだ。昨年も予選落ちした全米オープンで、その荒々しい行動がテレビに映し出されて問題視されることがあった。

 しかし、今回のキャリアビルダー・チャレンジでプレーオフを戦っているときは、惜しくもパットが入らずに悔しがる場面はあったものの、怒りを爆発させるような場面はほとんど見られなかった。逆に、対戦するランドリーと談笑する姿がそこにはあった。

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