【木村和久連載】「ギョーカイ」の人たちにゴルフが愛されるわけ
専門誌では読めない雑学コラム
木村和久の「お気楽ゴルフ」連載●第113回
俗に「ギョーカイ関係」と言われている方々、芸能界、スポーツ界、映像・出版関係などのメディアの人々は、ゴルフが大好きですよね。
なぜ、そうした傾向にあるのか。その理由を少し探ってみたいと思います。
戦後のゴルフ大衆化は、1957年に霞ヶ関カンツリー倶楽部(埼玉県)で開催されたカナダカップ(ワールドカップの前身)で、日本代表の中村寅吉選手が個人と団体で優勝したことがきっかけ。そこから、ブームとなります。
なにしろ、優勝パレードはオープンカーに乗って行なわれたと聞いていますし、当時としてはかなりのビッグニュースだった思われます。今で言ったら、中学生棋士の藤井聡太プロの連勝記録更新ぐらいのインパクトがあったのではないでしょうか。
大柄な外国人選手たち(アメリカのサム・スニードや、南アフリカのゲーリー・プレーヤーなど)を、小柄な日本人選手がやり込める。プロレスにも似た爽快感が日本列島を駆け巡ったわけですから。
以降、1960年代後半から70年代にかけて『和製ビッグ3(河野高明、杉本英世、安田春雄)』の活躍、そして『AON(青木功、尾崎将司、中嶋常幸)』の隆盛があって、ゴルフは爆発的なブームとなっていきます。
しかし戦後の大衆スポーツで、最初に広く行なわれたのは、野球です。当時、ゴルフはまだ高嶺の花だったんですね。ゆえに、芸能界のレクリエーションも野球がメインでした。地方公演を行なっていた歌手は、よく昼間にスタッフや後援会の人を集めて野球をやっていました。
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