米国ツアーに対抗する欧州ツアー。大物・松山英樹の参戦が大ニュースに (2ページ目)

  • text by Reiko Takekawa/PGA TOUR JAPAN
  • photo by PGA TOUR

 2015年に欧州ツアーの最高責任者に就任したキース・ペリー会長が推し進める欧州ツアー改革の一環でもある同シリーズは、長年欧州ツアーをサポートしている『ロレックス』の賛同を得て誕生した。

 その背景にあるのは、ここ数年のアメリカPGAツアーにおける賞金の高騰だ。特にフェデックスカップが始まってからは、PGAツアーでは毎年ビッグマネーを手にすることができるようになった。

 例えば、昨年のPGAツアーで総合優勝を果たしたマキロイは、それだけで1000万ドル(約11億円)のボーナスを得た。一方で、欧州ツアーで総合優勝を飾ったヘンリク・ステンソン(41歳/スウェーデン)が手にしたボーナスは125万ドル(約1億3750万円)。その差はかなり大きい。

 そうした状況から、今や欧州をはじめ、世界中のトッププレーヤーが皆、アメリカPGAツアーへと主戦場を移しつつある。

 だが、スター選手はもちろん、有望な若手プレーヤーも多い欧州ツアーとしては、そうした人の流れに歯止めをかけたいところ。そのうえで、欧州ツアーの質をさらに上げていきたい狙いもある。ロレックスシリーズの創設は、その対策のひとつとなる。ペリー会長が語る。

「欧州ツアーの賞金がアップすれば、世界中からトップ選手が集まる。また、欧州ツアーには各国を巡る面白さがあり、その国々によって素晴らしい環境がある。(選手とファンには)その楽しさを味わってもらい、テレビ放映も拡大していくつもりだ。会場ではファンとの距離を縮めるなど、たくさんの工夫をしていきたい」

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