原江里菜、渡邉彩香、香妻琴乃ほか
12名が語る「私にとっての宮里藍」

  • 古屋雅章●取材・構成 text by Furuya Masaaki
  • スエイシナオヨシ、Getty Images●撮影 photo by Sueishi Naoyoshi,Getty Images

今季限りの現役引退を発表した宮里藍(31歳)が、先のサントリーレディスで国内"ラストゲーム"を戦った。日本女子ゴルフ界を盛り立てた第一人者のフィナーレというだけあって、連日凄まじい盛り上がりを見せた。その姿を、ともに戦ってきた選手たちも熱い眼差しで見つめていた。彼女たちにとっても、宮里藍はまさに"特別な存在"なのである。その思いを今回、多くの選手たちに語ってもらった――。

サントリーレディスの試合後、ファンに挨拶し涙ぐむ宮里藍サントリーレディスの試合後、ファンに挨拶し涙ぐむ宮里藍渡邉彩香(23歳)
1993年9月19日生まれ、静岡県出身。今季賞金ランキング12位。
2012年プロテスト合格。ツアー通算3勝。(※成績等のデータは6月16日現在、以下同)

 今年の中京テレビ・ブリヂストンレディスで、藍さんが最終日にスコアを伸ばして、私も同様に伸ばすことができて、ロッカールームで「(契約先の)大会を盛り上げられてよかったね」みたいな話をふたりでしたばかりだったんです。その直後に引退を発表されたので、びっくりしました。でも、今思うと、同じホステスプロとして一緒に上位フィニッシュできたのはよかったな、と思っています。

 実は数年前、藍さんが苦しんでいるときに話をする機会があったんです。そのとき、「調子が悪いときはどうしているんですか?」と聞くと、藍さんは「調子が上がらないときも、絶対に逃げない。逃げちゃダメ」と言っていたんです。そして、「どんなにつらくても、目の前の試合から、自分のやっていることから逃げない」と。「そういうときこそ、(自分と)向き合うしかないから」って。

 昨年、私は調子を崩して、ドライバーがどこに行くかわからなくて、試合に出たくない状態にあったんですけど、そのとき、藍さんから言われた言葉を改めて思い出し、しっかり心に刻んで試合に出続けました。(私の中では)あのときの、藍さんの言葉がずっと支えになっています。

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