リオ五輪出場か否か。その悩みが松山英樹の調子を狂わせたのか (3ページ目)

  • text by Reiko Takekawa/PGA TOUR JAPAN
  • photo by PGA TOUR

 正直、女子に比べて、男子のほうがメジャー4大会の存在が大きいため、もともと男子プレーヤーの五輪に向けての意欲は希薄だった。結局のところ、ジカ熱や治安などへの不安=リスクを冒してまで参加する価値を見出せなかったというのが本当のところではないだろうか。

 さて、松山は、五輪辞退を決意したブリヂストン招待の最終日、9ラウンドぶりにアンダーパーをマーク。ややホッとした表情を見せた。

「内容的には満足していないけど、しばらくアンダー(パー)で回っていなかったので、気持ち的には楽になった」

 6月のザ・メモリアル・トーナメント、メジャー初制覇が期待された全米オープンと、2試合連続の予選落ちを喫した松山。今大会でも3日目までオーバーパーのラウンドが多く、「スランプ?」といった声が囁かれ始めそうな状況にあった。不調の原因は本人もわからず、ただただ首をひねるだけだったので、その状態が余計に心配された。

 しかし実際は、この大会から導入した新ドライバーで、狭いコースのフェアウェーをとらえることができなかったこと。波に乗れそうなところでパットを決められなかったこと。初日は冴えていたショートゲームが2日目には精彩を欠いていた......など、スコアが出ない要因はいろいろあった。

 それが最終日、松山はやっと「いいところでパットが入ってくれた。アイアンの距離感もようやく合ってきた」と、復調への手応えをつかんだ。ただ、その理由については、「何でしょうね? わからないです」と、よくなったきっかけについても首をひねるばかりだった。

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