苦悩する渡邉彩香を日本人最上位に導いた、樋口久子の「助言」 (3ページ目)

  • 佐藤 俊●取材・文 text by Sato Shun
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 そして次なるオフ、2015年シーズンの前には、渡邉はさらなるレベルアップを目指して新たな課題に取り組んだ。

「(ドライバーで)せっかく距離を出せるのに、残りの短い距離をチャンスにつけられないところが課題としてあったんですね。それで、アイアンショットの精度を高めたいと思って、それをコーチに相談したら「フォームを変えてみよう」という話になって。今まではフェード系の球を打っていたんですが、ストレートに近い形の球を打つようにしていったんです。

 結構打ち込んで、自分でも新たなスイングが身についた感触を得ていましたし、これまで以上にいい球が打てるようになって、2014年シーズンの前と同じく、充実したいい練習を消化できたな、と思っていました。だから、2015年シーズンの開幕もすごく楽しみだったです」

 ところが、開幕戦のダイキンオーキッドレディス(3月6日~8日)は、よもやの予選落ち。1年前には2位タイとなって好スタート切っただけに、「今年も結果を出して波に乗りたい」と思っていたが、逆につまずいてしまった。その後も調子が上がらず、渡邉は3試合連続予選落ちという屈辱を味わった。

「開幕戦ではまだ、ショットがよかったですし、(予選落ちしても)『次からは』って思えるだけの余裕がありました。でも、2試合目でも結果が出なくて……。それで『あれ?』って、いろいろと考え始めてしまって……、『前のスイングのほうがよかったのかな』とか、スイングを変えたことへの不安が芽生え始めてしまったんです。

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