ツアー3年目に挑む藤田光里「超えなければいけない壁がある」 (2ページ目)

  • 金明昱●文 text by Kim Myung-Wook
  • photo by Getty Images

「昨年は(ツアー優勝を飾って)最終戦のLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ(11月26日~29日/宮崎県)に出場できた。それで、相当な達成感を得ることができました。初めて最終戦に出場してみて、『ここまで来たんだ』という実感がすごくありましたから。だから、今年もまた、そこに出たいんです」

 最終戦のツアーチャンピオンシップは、その年のツアー優勝者と、大会前週までの賞金ランキング25位以内の選手といった出場制限がある。それだけ特別な試合となるが、実際に出場することによって、その"特別感"を身にしみて感じることができたようだ。

 そんな充実感を得る一方で、昨季も少なからず苦労があった。「早く勝ちたい」と思うあまり、序盤戦は精神的にかなり切羽詰まっていたという。

「正直『勝ちたい』という気持ちは、1年目よりも2年目の昨季のほうが強かったかもしれません。開幕からずっと『早く優勝しないといけない』って思っていました。周囲からもせかされましたし......。結果的には、早く勝ててよかったんですけどね。ただ、問題は次。2勝目です」

 優勝を手にすることができるのは、もちろん実力があってこそだが、初優勝というのは、運や勢いで転がり込んでくることがある。しかし、2勝目を手にすることは、そう簡単なことではない。事実、初優勝を遂げてから、2勝目を挙げられずに苦しんでいる選手は数多くいる。藤田も1勝目を挙げて以降、2勝目を目指してきたが、そのチャンスさえなかなか得られず、その難しさを痛切に感じている。

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