イ・ボミvsテレサ・ルー。選手たちが語る「女王争い」の行方 (2ページ目)

  • 古屋雅章●文 text by Furuya Masaaki
  • photo by Getty Images

 スタンレーレディスの最終日にテレサ・ルーと同組だった酒井美紀も、表と同じような話をしていた。

「一緒に回っていて、テレサさんにしては考えられないようなミスが何度かありました。3週前の大会(マンシングウェアレディース東海クラシック。9月18日~20日/愛知県)でも体調不良で棄権されているので、その影響なのか、集中力がなかったように見えました。片や、イ・ボミさんは、技術はもちろん、すべての流れがいいほうに向いているように思います。サラッと勝って、周囲に『(イ・ボミ選手には)勝てないな』という気にさせてしまう強さがあります」

 メジャー大会の日本女子プロ選手権(9月10日~13日/長崎県)で優勝したあと、確かにテレサ・ルーは調子を落とした。東海クラシックを棄権し、日本女子オープン(10月1日~4日/石川県)ではまさかの予選落ちを喫した。表と酒井は、スタンレーレディスでその不調ぶりを目の当たりにしたのだ。もはや、女王争いはイ・ボミで「勝負あった」と判断したのもうなずける。

 ところが、冒頭に記したとおり、スタンレーレディスの翌週、テレサ・ルーが富士通レディースを制覇。彼女のモチベーションは決して落ちてはいなかった。

 これで、テレサ・ルーにも再び逆転のチャンスが出てきたが、昨季3度目の賞金女王を飾ったアン・ソンジュは、「イ・ボミ有利は変わらない」という。

「昨年の私より、今年のボミのほうがすごいと思います。いつも上位で安定していて、下に落ちるという感じがしない。ドライバーも曲がらず、アイアンショットの精度も高い。ほとんどピンに近い位置に寄せられるから、バーディーも取りやすい。あと、今年は特にパットの調子がいいですね。本当に素晴らしいプレーをしているから、ボミが賞金女王になると思います」

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