【ゴルフ】苦悩する香妻琴乃「どうしたらいいか、答えが出ない」 (2ページ目)

  • 金明昱●文 text by Kim Myung-Wook
  • photo by Getty Images

 飛躍の要因は、他にもある。香妻が続ける。

「昨季の前半戦は、専属キャディーをほとんどつけず、ハウスキャディーを頼んでプレイしていました。グリーンまでの残り距離など、あらゆる距離感の感覚を自らがきちんと身につけていこうと思ったからです。コースマネジメントについても同様です。プロのキャディーだと、それらのことはどうしても頼りがちになってしまうので、それを避けたかったんです。そうして、距離の計測やマネジメントなど、すべて自分でやるように心掛けてきました。その成果が好成績につながったように思います」

 キャディー頼みのゴルフをする女子プロが多い中、香妻はあえてそれを避け、自身の能力アップを図った。そして、自らクラブの番手を選び、狙いどころを考えてプレイすることで、コース攻略法を体にしみ込ませ、さまざまなコースセッティングにも対応できる術を身につけていった。

「だからこそ、昨年はすごく手応えを感じて、プレイできました。私を見てくれているコーチからも、『安心して見られるようになった』と言ってもらいました」

 迎えた今シーズン、香妻はツアーの"顔"と言えるほどの注目を浴びていた。だが、ここまでは思わぬ苦戦を強いられている。

 開幕戦のダイキンオーキッドレディス(3月6日~8日/沖縄県)で予選落ちを喫すると、そこから2試合を欠場。その後も、試合に出場しても、ギリギリの予選突破か、予選落ちという不本意な結果が続いている。

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