【男子ゴルフ】5度目のマスターズ挑戦で、石川遼がすべきこと
精力的に練習ラウンドを消化した石川遼。マスターズで浮上のきっかけをつかめるか。 マスターズ・ウイークが始まってから、アメリカのメディアはマスターズ一色になっている。その中心人物は、もちろんタイガー・ウッズだ。
同時にクローズアップされているのは、ジャック・ニクラウス。そのキーワードは、「4大メジャーの通算勝利数」。今年のマスターズは、タイガーの完全復活の場であり、タイガーが勝つと誰もが思っているため、現在メジャー通算14勝のタイガーが、最大の目標にしている「ニクラウスのメジャー通算18勝」が、俄然、注目を集めているのだ。
クローズアップされている人物は、もうひとりいる。1934年から始まったマスターズの創設者であるボビー・ジョーンズだ。彼は、アマチュアとして初めて年間グランドスラム(当時の4大タイトルは、全米オープン、全米アマ、全英オープン、全英アマ)を達成した。そんな彼が引き合いに出されたのは、今季円熟したゴルフを展開するタイガーに、プロゴルファーとして初めて年間グランドスラム(マスターズ、全米オープン、全英オープン、全米プロ)を達成してくれそうな予感があるからだ。
さて、例年よりも1週間遅い開催となったマスターズ。そのためか、日本で言えば初夏のような温かさ。半袖シャツでも、コースを歩けば汗ばむし、コース内の清涼飲料も飛ぶように売れている。
試合前日の水曜日には、恒例のパー3コンテスト(※)が行なわれた。日本人選手のふたり、石川遼、 藤田寛之も、束の間の気分転換を楽しんでいた。
※本選前日に、オーガスタの本コースに隣接する、パー3の特設コース(9ホール、パー27)で争われるもの
藤田の目標は「できることなら、4日間プレイしていたい。もちろん、20位以内に入ることが第一目標です」と控え目なコメントだった。それでも、勝負へのこだわりをわずかに見せて、こう語った。
「僕にとってマスターズは、4大メジャーの中でも別格です。戦う場なんですが、まるでアカデミー賞のレッドカーペットを歩くような、うれしさがあるんですよ。ここでは、選ばれた人たちがどう演技するのか、自分の物語をどう作っていくのか、(オーガスタという)与えられた条件の下で、みんなが一緒に物語を作っていくという感覚なんです。誰もが必死なんですけど、ガツガツした感じはしないんですよね。ただ、そんな憧れの、夢のある舞台に立ててうれしいという自分と、そこで(きちんとした)プレイをしなければいけない自分とのギャップを感じています」
1 / 2