先駆者・中田英寿、イタリア人記者が振り返る「衝撃的なセリエAデビュー」と「スクデット獲得への貢献」 (4ページ目)
【消防車に乗ってサイレンを鳴らしながら帰宅】
「今日はイタリアに来てから最高の1日になったよ」と中田は試合後に言い、珍しく感情を表に出した。
以降の5節を無敗で乗りきったローマは18年ぶりのスクデットを手にした。首都の街では大勢の熱狂的なサポーターが歓喜に沸いた。
トッティは2018年に出版された自伝で、この時のことを詳しく綴っている。チームの祝勝会で、選手やコーチ、関係者が歌い、飛び跳ね、抱き合い、酒を浴びているなか、中田は隅のほうでひとり、本を読んでいたという。
「少ししたら、もう帰りたくなっちゃって」と、のちに中田は明かしている。
「だからオリンピコのトンネルで会った消防士に僕のシャツを渡して、その代わりに家まで送ってもらったんだ。サイレンを鳴らしながらローマの街をドライブした時のことは、忘れないよ」
そんなマジカルな経験は彼のチームメイトもしていないだろう。
(つづく)
(1)を読む>>>中田英寿が足を止めずに通り過ぎていくのは当たり前 「群れない」のではなく「高い境地にいた」孤高の人
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