【チャンピオンズリーグ】パリ・サンジェルマン対バイエルンの撃ち合いでますます注目 現代サッカーの理想的なセンターバックとは? (3ページ目)
【卓越したヘディング技術】
15歳の時、スピーチセラピーを受けていた。難読症と吃音症を克服するためだった。シャイで自己表現が苦手なのは変わらないが、ウパメカノはバイエルンの守備のリーダーになっている。
パリSG戦、反撃の3点目はウパメカノのヘディングシュート。ファーポストの手前で高く跳び上がると、ごく薄く額をボールに当ててゴール右隅に収めるコントロールされたヘディングだった。
CBの重要な資質が空中戦の強さなのは今も昔も変わらない。高さだけでなく、競り合いでのパワー、重さも必要だ。ボールの軌道を読み取る能力、さらにヘディングの技術が問われる。実際、CBはヘディングのスペシャリストで、ヘディングでボールをカーブさせるくらいは普通にできる。
ウパメカノの精密なヘディングシュートはCBの職人芸だった。
CK、FKにおいてCBの価値が高まっている。空中戦のエースなのだから、攻守両面で重要なのは当然だが、近年はCK、FKの攻撃で相手GKの守備範囲を限定する配置をするのが常態化している。手を使えるぶん、GKの優位性は明白だった。しかし、GKの守備範囲が限定されたことで、ゴールからの至近距離でフィールドプレーヤー同士の競り合いが増え、そこで「空の王」たるCBの価値が増しているわけだ。
アーセナルのCBガブリエウはこの分野のスペシャリスト。今季すでに3得点4アシスト(第34節終了時)を記録し、CKが得点源のチームで非常に重要な存在になっている。ガブリエウのみならず、およそどのチームでもCKの主役はCBだ。
広大なスペース管理と被カウンターにおける守備力。相手のアタッカーの超人的な速さや強さに対抗できなければならない。攻撃ではビルドアップの起点となり、セットプレーの主役にもなる。ハイプレスが正義の現代、ハイスペックなCBはもはや必須となっていて、ウパメカノはその要望に応えている。
著者プロフィール
西部謙司 (にしべ・けんじ)
1962年、東京生まれ。サッカー専門誌「ストライカー」の編集記者を経て2002年からフリーランスに。「戦術リストランテ」「Jリーグ新戦術レポート」などシリーズ化している著作のほか、「サッカー 止める蹴る解剖図鑑」(風間八宏著)などの構成も手掛ける。ジェフユナイテッド千葉を追った「犬の生活」、「Jリーグ戦術ラボ」のWEB連載を継続中。
【画像】バイエルン、パリ・サンジェルマンほか 2025-26後半戦 欧州サッカー注目クラブ 主要フォーメーション
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