中田英寿の「衝撃」は誰も超えられない 欧州4大リーグのクラブで頂点に立った日本人選手たち (3ページ目)
その栄光のシーズン、中田は若きエース、フランチェスコ・トッティとの熾烈なポジション争いを強いられ、外国人枠の問題もあって年間を通じての出場機会は限られていた。しかし、出場したときの印象はけた外れだった。たとえば優勝を争うユベントスとの頂上決戦では、途中出場から2点差を追いつく試合の主役になるなど、終盤戦でスクデット獲得の英雄になったのである。
ちなみに当時のセリエAは、現在のプレミアリーグに近いか、それ以上のまさに最高峰だった。ロベルト・バッジョ、アレッサンドロ・デル・ピエロ、エルナン・クレスポ、ガブリエル・バティストゥータ、アンドレイ・シェフチェンコ、マヌエル・ルイ・コスタ、ジダン、パベル・ネドベド、パオロ・マルディーニなど、世界のスーパースターが勢ぞろい。そこで日本人がスクデットを勝ち取るのは、おとぎ話のようだったのである。
ちなみに中田はパルマ時代、2001-02シーズンにユベントスを決勝で下し、コッパ・イタリアでも優勝している。
スペイン国王杯決勝アトレティコ・マドリード戦で、久保がどのような活躍を見せるか。率直に言って、中田の衝撃を越えることはないだろう。しかし久保の場合は、中田のような日本人の特性を生かしたアプローチというより、「スペイン人よりもスペイン人」という欧州化した選手としての成功を目指しているところがある。それは新たな時代の金字塔になるはずだ。
つづく
著者プロフィール

小宮良之 (こみやよしゆき)
スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。
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