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【欧州サッカー】ロベルト・カルロスの左足は「規格外」 引退して10年以上...いまだ「ロベカル二世」は現れず

  • 粕谷秀樹●取材・文 text by Kasuya Hideki

世界に魔法をかけたフットボール・ヒーローズ
【第48回】ロベルト・カルロス(ブラジル)

 サッカーシーンには突如として、たったひとつのプレーでファンの心を鷲掴みにする選手が現れる。選ばれし者にしかできない「魔法をかけた」瞬間だ。世界を魅了した古今東西のフットボール・ヒーローたちを、『ワールドサッカーダイジェスト』初代編集長の粕谷秀樹氏が紹介する。

 第48回は、誰もが認める「世界屈指の左サイドバック」を紹介する。ロベルト・カルロスだ。伝説となった衝撃的なFKの映像を、サッカーファンなら一度は見たことがあるだろう。ブラジル代表でもレアル・マドリードでも、ゴールでファウルの笛が吹かれるたびに、彼のFKを見たくて固唾を飲んだものだ。

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ロベルト・カルロス/1973年4月10日生まれ、ブラジル・ガルサ出身 photo by Getty Imagesロベルト・カルロス/1973年4月10日生まれ、ブラジル・ガルサ出身 photo by Getty Imagesこの記事に関連する写真を見る 筆者の世代は、インステップとインサイドを初期段階でマスターすると、インフロントを使いたくなった。第二段階は、変化球の習得だ。ボールを曲げる技術は一種の憧れであり、壁の間を抜けてゴールに吸い込まれるようなキックを練習した。

 フットボールの世界では、FKの名手が多くのファンを虜(とりこ)にしてきた。ロベルト・リベリーノ、ジュニーニョ・ペルナンブカーノ、ジャンフランコ・ゾラ、ドラガン・ストイコビッチ、木村和司......。シニシャ・ミハイロヴィッチはFKだけでハットトリックを達成したこともある。

 ロベルト・カルロスの左足は「規格外」だった。

 漫画のような軌道を描くケースもあったのだから、単純に変化球とは表現できない。なかでも1997年にワールドカップのプレ大会「トゥルノワ・ドゥ・フランス」のフランス戦で放った一撃は強烈だった。

 距離はおよそ35m。フランス陣の壁、GKファビアン・バルテズのポジショニングも問題はない。ロベルト・カルロスは長めの助走からフィールド中央付近で左足を振った。ボールは右方向へ、壁の外を通過。軌道を大きく外れた......はずだった。

 次の瞬間、ボールは人の意思が働いているかのように、いや、空気抵抗を無視したかのように軌道が急激に変わって左に曲がり、右ポスト内側をこすってゴール。バルテズはボールの行方を見送るしかなかった。

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著者プロフィール

  • 粕谷秀樹

    粕谷秀樹 (かすや・ひでき)

    1958年、東京・下北沢生まれ。出版社勤務を経て、2001年、フリーランスに転身。プレミアリーグ、チャンピオンズリーグ、海外サッカー情報番組のコメンテイターを務めるとともに、コラム、エッセイも執筆。著書に『プレミアリーグ観戦レシピ』(東邦出版)、責任編集では「サッカーのある街」(ベースボールマガジン社)など多数。

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