MLSの決勝を戦ったGK高丘陽平が振り返る2025年シーズン 連続PK戦勝利が大きな自信に (2ページ目)
【自分のよさが生きるスタイル】
――今シーズンのバンクーバーはハイラインで挑む攻撃的チームでした。その中心に日本人GKがいるのは誇らしかったです。
「ディフェンスラインは高く上げ、背後は自分がカバーする格好で。広いエリアをカバーするんですが、そのタスクはマリノス時代と似ていましたね。自分を信じて使ってくれたので楽しかったです。1、2年目はラインが低く、裏を守る仕事はなかったので、3年目は自分のよさが生きるスタイルでした」
――プレーオフ準々決勝のダラス戦は、ムサとの対決が見物でした。1対1で決められたシーンの駆け引きはハイレベルでしたね。
「日本だったら、相手がトラップしたところを迷わず狙っていたと思います。でもMLSのアタッカーは選択肢が多いから、こっちも常にいくつか選択肢を用意する必要があって。ディフェンスも戻ってきていたし、もう一個引きつけてドリブルタッチしたところで勝負しようとしていたんです。でも、思ったよりタッチがでかくて......長いタッチを狙いつつ、引き込むことも狙って、半々で準備すべきでしたね」
――世界トップのアタッカーとの対峙で思考を重ねて、GKとしての厚みが増しました。それが出たのがPK戦で、ダラスが2本外しましたが、落ち着きを感じさせました。
「PK戦は"勝てる"と思っていました。ダラス戦はラストワンプレーで追いついたんですが、PKの前に(トーマス・)ミュラー(元ドイツ代表)がクーラーボックスの上に座り、『よく追いついた。まずはひと呼吸を置いて、PKは時間かけていいから。自信を持ったところにそれぞれ蹴れ』って、監督のように喋っていた。その光景を眺めながら、なぜか"勝った"という確信があって、精神的優位に立てました。よくない時は、頭の中に"絶対に止めないと"という思いがぐるぐるするのが、あの時はクリアで無に近い状態でした。複雑なものが排除され、シンプルな精神状態で。逆にキッカーが力みを感じていたかもしれません」
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