【プレミアリーグ】マンチェスター・シティのシェルキは両利きプレーで未知の領域へ 歴代のスーパースターを超える存在になるか (2ページ目)
【左右対称のOS】
シェルキは両利きで知られている。左右どちらも使える選手は昔から希少価値があるとされてきたが、歴代のスーパースターに両利きは存在しない。
「左足の少佐」と呼ばれたフェレンツ・プスカシュは完全な左利き。アルフレード・ディ・ステファノは右利き。このふたりは逆足もうまかったようだが、ディ・ステファノは「左肩に飛んできたボールに右足をクロスさせてアウトで止めたほうが客は喜ぶ」と話していたそうだ。ペレとヨハン・クライフは左も比較的使うが右利き。ディエゴ・マラドーナ、リオネル・メッシは完全な左利き。
スーパーテクニシャンが利き足しか使わないのは、片足が完璧ならそれでほぼ用が済んでしまうからだ。
完全な右利き、あるいは左利きと思われている選手でも、意外と逆足もうまかったりする。有名なレフティだったヴォルフガング・オベラート、ロベルト・リベリーノは右側に置いたボールを左足のアウトでカーブをかけて蹴る離れ業をよくやっていたが、仕方なく蹴る時の右足のシュートは正確で強烈だったものだ。やろうと思えば逆足でもプレーできるが、利き足がうますぎるので逆足の出番がないのだ。
片足が完璧であることが重要で、左足が「メッシ」なら右足は必要ない。左も右も同じように使えても、どちらもメッシ以下ならメッシ以下のレベルにしかならない。メッシに右足を使うようにアドバイスする人もいなかっただろう。それは不確実性を増やすだけで、ほぼメリットにはならないからだ。
しかし、近年は両利きが増えてきた。ウスマン・デンベレはシェルキと並ぶ両利きである。
両足が使えればボールを持ち替えなくてすむので、与えられる時間が少ない現代のサッカーで貴重な0.5秒をセーブできる。利き足を封じられてもプレーの選択が限定されにくい。プレーするポジションの幅も広がる。そうした理由で、幼少期から両足を使うように指導されている背景はあるだろう。
しかし、トップクラスに関しては事情が違う。史上最高クラスのスターがそうだったように、補助的に使える程度の逆足があることは大した問題ではないからだ。
シェルキやデンベレの場合、外形的な理由とは別の価値があるように思われる。いわば、それは新たなOSという価値だ。
2 / 3

