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サッカー日本代表には不参加が決定 遠藤航が語る、首位陥落リバプールの現状と自らの役割 (3ページ目)

  • 山中忍●文 text by Yamanaka Shinobu

【「今季はより攻撃的に......」】

 その30分後に出番が来た遠藤は、今季の出場時間がリーグカップ戦での唯一の先発フル出場を含めて計145分に限られている。ただし、本人は「理解はできる」と、やはり落ち着いている。

「引き分けている状態でも勝ちにいく采配で、前の選手を入れて何かを起こそうという感じは、ホームでもアウェーでもあまり変わらない。今季はより攻撃的に(監督の)頭が働くシチュエーションになってもいるから。昨季はリードしている状況で自分が入るのが勝ちパターンのようになっていたけど、今季は結構、ビハインドから追いつかなきゃいけない状況。そこで押し込まれる展開が増えてしまうと、結果的に攻撃的すぎるのかな、みたいな(見方をされる)。

 そこは難しいですよね。攻撃面の戦術とかやり方は個人的にも面白いですけど、(守備と)どっちをとるか。そこで監督は攻撃的なほうを採っているわけで、選手である自分たちは、とにかくできるだけの準備をしておくしかない」

 結果が出ない試合が続いた第7節を終えて、「9」となったリーグ戦失点数は、同節終了時点のトップ4中で最多となっている。チェルシー戦では戦前、同様にポゼッションを重視するチームとの対戦であることから、コンパクトな守備を意識するのではないかとの見方もあったのだが、実態は違っていた。そのようなスロットのリバプールには、堅守速攻がハマっているパレスをはじめ、ボールは持たせても自由は与えずにポイント奪取を狙う相手が増えている。

 スピードのあるカウンターによる失点は、今夏のプレシーズン中から兆候が見られたが、この点に関しても遠藤は前向きだ。一度は2-0からボーンマスに追いつかれた開幕節の翌日、話を聞く機会に恵まれた際に、こう話してくれた。

「(監督も)リスクマネージメントのところはずっと言っています。でも、カウンターは、対策をしても起こり得ることなので。逆に言うと、それは自分たちのサッカーができているということ。相手陣内で常にボールを回しているので、相手からしたらカウンターしかないというのは、自分たちにとってはポジティブですよね。

 ただ、そこのケアを90分やり続けるのは簡単ではないし、監督も理解している。もちろん、失点は少ないほうがいいので、そこは毎回、常に振り返りながらやっていく感じだと思います」

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