検索

サッカー日本代表には不参加が決定 遠藤航が語る、首位陥落リバプールの現状と自らの役割 (2ページ目)

  • 山中忍●文 text by Yamanaka Shinobu

【ビハインドとなって「守備の人」は出場チャンスが減る】

 しかし、自らも今季は開幕節ボーンマス戦(4-2で勝利)から、右SBとしても出場している遠藤は、「別にブラットリーひとりのせいじゃない」と説明する。

「チームとしての守り方で、要はサラーの攻撃のよさを生かすために、そこをみんなでカバーするという守備のやり方。ハマってはいなかった感じはあるけど、たぶん、どのチームも(それは)わかってやってきていることだかから」

 遠藤自身はチームのMF陣では貴重な、優れた守備本能の持ち主だ。右サイドへの気配りも利く。両軍とも2点目を狙っていた終盤のピッチには、「かなりオープンになっていたので、状況を見ながら、いつ行くべきか、いつ守るべきかというバランス」を意識して入っていたという。実際、投入された3分後には、自軍ボックス内右サイドで敵のクロスをブロックし、続いて浮いたボールもヘディングでクリア。その4分後には、タッチライン沿いでパスを受けると、敵陣内まで上がってつないでもいた。

 アウェーゲームであり、後半18分にコーディ・ガクポのゴールで試合を振り出しに戻していながら、終盤に再び盛り返された内容からしても、もう少し早く遠藤を入れる手もあったように思われる。チェルシーが、決勝ゴールの5分前にも1点もののクロスを放り込んでいたエステバンを投入したのは、同30分のことだった。

 さらに言えば、先制を許した前半の段階でも、本職のボランチがピッチ上にいれば......と思わせる場面はあった。中盤中央のスペースを、素早い連係とドリブルで相手ボランチのモイセス・カイセドに使われ、ゴール左上隅にミドルまで叩き込まれた同14分の失点シーンが好例だ。

 ビハインドとなれば、「守備の人」の出場チャンスは激減する。最終スコアは同じだが、出番のなかった前節は、後半42分まで0-1で追う展開が続いた。加えて、就任2年目のスロットは、采配において攻撃色を一層強めている感もある。

 チェルシー戦、ブラッドリーと交代したレバークーゼンからの新戦力は、右SBのジェレミー・フリンポンではなく、攻撃的MFのフロリアン・ビルツだった。同時に、トップ下のドミニク・ソボスライが最終ライン右サイドへと持ち場を変えている。ボール支配による試合のコントロールを好む指揮官は、中盤深部のプレーメイカーを任せているフラーフェンベルフを後半11分からCBに回した。ベンチには本職のジョー・ゴメスもいたが。

2 / 4

キーワード

このページのトップに戻る