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久保建英とレアル・ソシエダの深刻な不振 スペイン人記者は「本来の彼とは程遠い出来」と指摘 (3ページ目)

  • ウナイ・バルベルデ・リコン●取材・文 text by Unai Valverde Ricón

【今シーズン本調子とは言えない久保】

 今シーズン本調子とは言えない久保建英。個人が成長しチームのレベルアップに応えられるかどうかはまだわからないが、大いに期待されている。

 開幕のバレンシア戦では苦しい状況下で重要なゴールを決めたが、9月のインターナショナルブレイク前、すでに本来の彼とは程遠い出来だった。そして代表戦で負傷した後、改善の兆しを見せていない。

 試合前には常にテーピングを巻き、試合後にも治療を受けていたため、私はバルサ戦の前日会見で足首の状態について監督に尋ねた。監督は「問題ない。試合後に氷で冷やすのは一般的だ。ロッカールームではほとんどの選手が打撲や筋肉疲労のために、何かしらの処置をしている。彼のことは心配する必要などない。準備はできている」と説明していたにもかかわらず、ベンチスタートになった。本当はかなりの痛みを抱えながらプレーしていたようだ。

 実際、マジョルカ戦でもバルセロナ戦でも彼のプレーはそんなによくなかった。先発したマジョルカ戦でチームは初勝利を挙げたが、もちろん彼が中心だったわけではない。アンデル・バレネチェアが攻撃の柱、プレーの要としての役割を引き継いでいたからだ。ほとんどの攻撃がバレネチェアを経由し、久保にはそこまで多くのボールは渡っていない。そんななかでも彼はホン•アランブルの決定機を演出したが、ゴールにはつながらなかった。

 この日の久保は判断ミスが多く、立ち止まった状態でボールを受けすぎ、球離れがよくなかった。かつてのように自らチャンスを作り出す能力を発揮できておらず、ボールを持つたびに何かが起こるわけではない。これはチームにとって大問題だ。

 バルサ戦ではローテーションおよびスペースを得るためにゴンサロ・ゲデスが起用されたことで、足首の問題を抱える久保は控えとなった。1-1の状況から起爆剤となるべく後半12分と早い段階で投入されたが、20分が経過するまで姿は見えなかった。その後に2度チャンスを迎えたが、1本目のシュートはポスト(※最終的にブライス・メンデスがオフサイド)、2本目はクロスバーを直撃。その他の場面では動きが鈍く、やや孤立し、主役を演じるのに苦労していた。

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