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久保建英、浅野拓磨、ともに開幕以来5試合勝ち星なしの苦境 命運を決める"日本人対決"へ (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki

【レアル・ソシエダは昇格以来、最低のスタート】

 マジョルカを率いるハゴバ・アラサテ監督は、かつてラ・レアルを率いたこともあり、攻守一体のサッカーを信奉している。前任者ハビエル・アギーレのような守備重視ではない戦い方で結果を残し、敬意を集める。そのアラサテが浅野を右サイド中心に走力の強度を期待し、重用している点は見逃せない(森保一日本代表監督は利き足が右の浅野を左サイドで使うことが多いが、浅野は切り込んでフィニッシュする精度が高いアタッカーではない。アラサテの右サイド起用はとても理にかなっている)。

 浅野に足りないのは数字で、昨シーズンの2得点は寂しい。今シーズンもまだノーゴールで、その期間が続くとプレー時間は少なくなる。スピードはアドバンテージだが、結局のところアタッカーは決定力を高められるか。それは自ずとチームの勝敗にもつながるはずだ。

 一方、久保も悲観的になるほど悪いプレーをしているわけではない。

 出場時間325分で、不動の主力である。開幕のバレンシア戦ではチームを黒星から救うゴール。その後は代表戦で負った足首のケガの影響があったにもかかわらず、レアル・マドリード戦は途中出場ながら最も相手にダメージを与えた。直近のベティス戦は不調が明らかだったが、ドリブルに入ると1対1では間合いに入らせていない。

 明るい兆しもある。技巧派のブライス・メンデスとのコンビは健在で、カルロス・ソレール、ジョン・ゴロチャテギとのコンビネーションは悪くない。ただ、チームの勝利に結びついていないのも事実で、久保自身のゴールも開幕戦の1得点にとどまっている。

「ラ・レアル、降格圏に!」

 各スポーツ紙も最近ではそう煽っているように、不穏な状況であることは間違いない。

 10月の代表戦中断まで3試合(マジョルカ、バルサ、ラージョ・バジェカーノ)、勝ち点を取れないと、今季就任したセルヒオ・フランシスコ監督が更迭される可能性もある。開幕以来5試合で勝ち点2は2010年に昇格してから過去最低の記録。7試合で勝ち点5だったシーズンもあり、この時は巻き返したが......。

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