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高井幸大のトッテナム移籍が「吉」の理由 新監督はコミュニケーション重視で人心掌握 (4ページ目)

  • 山中忍●文 text by Yamanaka Shinobu

 ブレントフォードには、リーグ戦全試合にフル出場を果たしたネイサン・コリンズという守備のキーマンがいた。24歳のCBは、移籍1年目だった2023-24シーズン途中に足首を痛め、調子と自信を落とした時期があった。だが指揮官は、ケガによる戦線離脱が若い新顔の精神面に与える影響も認識済み。復帰直後には、ミスがあっても対話を持ちながら見守り、シーズン終盤には攻守両面で翌シーズンにつながる安定性を取り戻させている。

 フランクという新監督は、トッテナムのようなビッグクラブでは未知数と見られる人物なのかもしれない。しかし、非ビッグクラブのブレントフォードにあって、昇格後4シーズンの平均順位は12位で、2度のトップ10フィニッシュを果たしているのだから、立派な「プレミア監督」のひとりではある。

 残留争いに巻き込まれたのは、23-24シーズンのみ。当時の主砲イバン・トニー(現アル・アハリ)が、イングランドFA(協会)から8カ月に及ぶ出場停止処分を受けていたシーズンだった。

 では、そのトニーが昨夏にサウジアラビアへと去ったあとは?

 適応能力の高い指揮官は、10位でシーズンを終える過程で、トップ6内のチェルシーとアストンビラをしのぐ、「66」を記録する得点力をブレントフォードから引き出した。4-3-3よりも4-2-3-1システムの採用が増えたリーグ戦で、1トップを任されたヨアン・ウィサと、右ウイングのブライアン・ムベウモが、合わせて39ゴール11アシストと大活躍した。

 後方の安定化を手始めに、強豪としてのステータス奪回に臨むトッテナムにとって、年齢的にも脂が乗り始める51歳のデンマーク人監督は適任だと思える。そしてそれは高井という日本人DFの逸材にとっても。

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著者プロフィール

  • 山中忍

    山中忍 (やまなかしのぶ)

    青山学院大学卒。1993年に渡欧し、西ロンドンが人生で最も長い定住の地に。イングランドのサッカー界を舞台に執筆・翻訳・通訳に勤しむ。著書に『勝ち続ける男 モウリーニョ』、訳書に『夢と失望のスリー・ライオンズ』、『バルサ・コンプレックス』(ソルメディア)など。英国「スポーツ記者協会」及び「フットボールライター協会」会員。

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