クラブワールドカップを席巻中 レアル・マドリードの21歳、ゴンサロ・ガルシアは生粋のセンターフォワード (2ページ目)
【下部組織が育てたストライカー】
レアル・マドリードの下部組織であるカスティージャは、伝統的に多くのスペイン代表ストライカーを生み出している。直近20年でも、ロベルト・ソルダード、アルバロ・ネグレド、ロドリゴ・モレノ(現アル・ラーヤン)、アルバロ・モラタ(ガラタサライ)、ホセル(アル・ガラハ)など多くのカスティージャ育ちのストライカーがスペイン代表に選ばれ、欧州のトップクラブで活躍を遂げてきた。
ただ、彼らは必ずしもレアル・マドリードでは大成していない。それはチームがクリスティアーノ・ロナウド、カリム・ベンゼマなど世界最高級のストライカーを獲得してしまうからだろう。しかしカスティージャ出身のFWは、世界のどのクラブでもゴールを量産できる逞しさがある。適応力の高さは出色だ。
カスティージャでは、ストライカーは平均的な能力の高さが問われる。高さ、速さ、強さ、激しさ、うまさ......どれかひとつでも大きく欠ける場合は弾かれる。チームプレーヤーとして適応するには、弱点がないことが条件なのだ。
たとえばバルセロナは中盤やサイドアタッカーで有力選手を多く輩出しているが、ストライカー育成には苦戦している。なぜなら、バルサはうまさやコンビネーション力に特化し、スカウティングの時から体格やパワーというアスリートとしての能力は重要視してこなかったからだろう。プレッシングや空中戦や泥臭いポストワークが必要なチームや状況に適応できないのだ。
翻って、ゴンサロは身長182センチで跳躍力があり、俊敏性や持久力も平均以上。キックやコントロールの精度も特別ではないが悪くはない。ゴールに近づくにつれ、多くの選手は技術精度が落ちるが、彼の場合は落ちず、フィニッシュワークができる。スペースの認知度が高く、ボールを呼び込むために止まり、相手の裏を取る動きでマークが外せる。ドルトムント戦では右に流れ、2点目の起点のパスを出していた。戦闘力、総合力が高いのだ。
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