久保建英をレアル次期監督シャビ・アロンソはどう評価していた? 「チームを勝たせる貢献ができるか」 (2ページ目)
【アンチェロッティよりは強い興味】
彼は、そこで一拍を置いて続けた。
「ただ、戦える選手かどうかは、これからピッチに立って、久保自身が証明するしかない。チームを勝たせる貢献ができるか。そこがカギになる。でも、"違いを出せる選手"ではあるだろう。焦らず、じっくりと少しずつ前に進むべきだね。彼が持っている才能をピッチで出せるようになったら、自ずと結果は出るはずだ」
慧眼だった。戦いを重ねるなか、久保は大きく成長した。そこにはラ・レアルというボールプレーを大事にするクラブに恵まれたこともあった。
現在、アロンソ・マドリードは6月のクラブW杯も見据えながら、急ピッチで補強を進めている。センターバック、左右サイドバック、そしてセンターハーフをリストアップ。ディーン・ハイセン(ボーンマス)、トレント・アレクサンダー=アーノルド(リバプール)、アルバロ・フェルナンデス・カレーラス(ベンフィカ)などとの契約が進行しつつある。アロンソのお眼鏡にかなった選手たちだ。
では、久保に食指を動かすことはあるのか?
ひとつ言えるのは、前任のカルロ・アンチェロッティ監督よりはアロンソのほうが久保に興味を感じている、ということだろう。それはプレースタイルの問題もある。アンチェロッティは"個の集合体"のようなプレーを好むが、アロンソは集団、組織の中で個が生きる展開を志向しているからだ。
久保は後者で、より力を発揮する。
現時点で「久保、レアル・マドリードへ?」という噂は出ていない。ひとつはチーム内にアタッカーが渋滞しているのと、ロドリゴ、ヴィニシウス・ジュニオールなど去就が注目されているアタッカーがいることもあるだろう。アスレティック・ビルバオのスペイン代表ニコ・ウィリアムスとの交渉が水面下で行なわれているようだが、彼を含めて右利きのアタッカーが多く、左利きの久保は"別枠"になる。
仮に久保がマドリードに入団した場合、アルダ・ギュレル、もしくは完全な両利きのブライム・ディアスとの競争になるだろう。実力的には劣っていないし、むしろ実績は優り、突破力、ゴールへの迫力に関しては完全に凌駕している。
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