久保建英は残り3試合で奇跡を起こせるか? 終戦ムードのソシエダで求められるバロンドール級の活躍 (2ページ目)
【欧州カップ戦出場権争いから脱落】
アトレティコ戦の大敗はチームの士気だけでなく、順位にも影響を及ぼした。6季連続で欧州カップ戦出場権獲得を目標に掲げているラ・レアルに対し、厳しい現実が突きつけられたのだ。
直接のライバルであるセルタ、ラージョ・バジェカーノ、マジョルカが揃って勝ち点3を獲得しただけでなく、勝利を収めたバレンシアにも追い抜かれた。これにより勝ち点43で12位に後退したラ・レアルが、来季再びヨーロッパの大会に参加するというのは夢物語に近い状況となった。
ヨーロッパリーグ出場圏内の6位ベティスとの勝ち点差は15もあり、7位セルタとの勝ち点差も6と大きく開いている。そしてカンファレンスリーグ出場圏内の8位ラージョとの勝ち点差は4。9位マジョルカはラージョと同勝ち点で並んでいる。ラ・レアルはこの4チームに直接対決の結果で負けているため、最終的に勝ち点で並んだ場合、順位が下になる。
今季のリーグ戦も残り3試合となるなか、ラ・レアルは次節でセルタをホームに迎えるが、アトレティコ戦のひどいパフォーマンスを考えれば、非常に厳しい試合となるだろう。さらに、ここ最近の不甲斐ない出来に対し、サポーターから抗議のブーイングを受けると予想されるため、ホームであっても精神的に追い込まれることになるかもしれない。
勝ち点6差のセルタとの一戦は、欧州カップ戦出場権争いに向けた直接対決であり、その権利を勝ち取るためのラストチャンスとなる。勝てば生き長らえ、さらに3点差以上の勝利を挙げれば、直接対決の結果で上回ることができる。
その後、第37節で残留争いを続けるジローナをホームに迎え、最終節では大きな目標のないレアル・マドリードとアウェーで対戦することになる。
しかし、現在の順位やチームの成績不振を考慮した場合、残り3試合でのチャンスはほとんどないに等しい。ラ・レアルに必要なのは"奇跡"であり、この最終局面で低迷するチームを引っ張らなければならない久保の、バロンドールを獲得できるレベルに近い活躍だ。
たとえそれが難しいとしても、久保は数字を残さなければならない。ゴールやアシストはもちろん、チームメイトと連係できない場合は個人で局面を打開し、違いを生み出す必要がある。
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