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久保建英は残り3試合で奇跡を起こせるか? 終戦ムードのソシエダで求められるバロンドール級の活躍 (3ページ目)

  • ウナイ・バルベルデ・リコン●取材・文 text by Unai Valverde Ricón

【近年の成功と比べ現在は残念な順位】

 ラ・レアルがこの厳しい状態を改善できない場合、今季は12位に終わった2017-18シーズン以来の悪い成績で終了する可能性がある。しかし、その当時とは状況が大きく違う。チームの完成度は高く、選手の市場価値は高額で、予算も他の多くのクラブに比べてはるかに多くなっている。にもかかわらず中位に沈んでいるのだ。

 下位のチームとは勝ち点に開きがあるため、これ以上順位を下げることはないだろう。しかし、最終的に中位以下で終わった場合、クラブの利益だけでなく、来季以降のプロジェクトが大きな打撃を受ける。

 ラ・レアルの現状は、1部復帰(※2007-08〜2009-10の3シーズンは2部)を果たすも、経済破綻に見舞われた2010年代とはまったく違っている。近年、ダビド・シルバや久保といった重要な選手やすばらしい若手選手の獲得に成功し、アルグアシルの指揮の下、チャンピオンズリーグ出場権を獲得するまでに至った。この偉業に貢献した彼らと共にクラブは成長し、チームの志も高くなっている。

 クラブの予算や規模などを考慮した場合、ラ・レアルの現在の位置づけは、バルセロナ、レアル・マドリード、アトレティコ・マドリードに次ぐ2番手グループ。アスレティック・ビルバオ、ビジャレアル、ベティスがライバルであり、ここ数年低迷しているセビージャもそれに含まれるかもしれない。目標はヨーロッパリーグの出場権獲得で、2季前のようにチャンピオンズリーグを目指して争えることもある。

 欧州カップ戦の出場権を獲得したここ5シーズンは大成功だと言えるが、クラブのレベルを考えると妥当な成績であり、出来すぎというほどではない。だからこそ今の12位という成績は、ラ・レアルの本来あるべき順位をはるかに下回っていると思う。今のチームにはもっとできる能力があるはずだと、クラブ内部の人間を含め誰もがそう考えているからこそこの順位は残念だ。

 ラ・レアルは来季、Bチームを率いていたトップリーグ経験のないセルヒオ・フランシスコを監督に迎える。新体制でチームを構築するにあたり、大幅な給与調整や、スビメンディやナイフ・アゲルドといった主力の退団など、今後直面する多くの問題を解決しなければならない。

(髙橋智行●翻訳 translation by Takahashi Tomoyuki)

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著者プロフィール

  • 高橋智行

    高橋智行 (たかはし・ともゆき)

    茨城県出身。大学卒業後、映像関連の仕事を経て2006年にスペインへ渡り、サッカーに関する記事執筆や翻訳、スポーツ紙通信員など、リーガ・エスパニョーラを中心としたメディアの仕事に携わっている。

【画像・布陣】残り3試合どうなる? レアル・ソシエダ、レアル・マドリードほか 欧州サッカー今季注目クラブのフォーメーション一覧

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