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久保建英は移籍するのか否か レアル・ソシエダ新監督の下では「幸せになれる」とスペイン人記者 (2ページ目)

  • ロベルト・ラマホ●取材・文 text by Roberto Ramajo

【地元ではそこまで騒がれていない】

 久保はサン・セバスティアンでのライフスタイルに満足し、幸せを感じており、彼の家族もすっかり街になじんでいる。メディアの喧騒から離れ、非常に平穏な生活を送れている。より高いレベルの戦いを求める久保にとって、今ここで満足できていないのはラ・レアルのプレーに対してだけだと思う。笑顔をあまり見せることはなく、外から見ていても例年ほど楽しんでプレーできていないように感じる。

 このままチームに満足できない状態が続くなかで興味深いオファーが舞い込んだ場合、サン・セバスチャンを離れる決断を下すかもしれない。まだ正式なオファーを受けてはいないとはいえ、ラ・レアルはそうなることを恐れている。

 そして今、サン・セバスティアンの人々の間では昨夏ロビン・ル・ノルマン(アトレティコ・マドリード)とミケル・メリーノ(アーセナル)が去ったように、今夏は久保とマルティン・スビメンディの二大柱を失うのではないかと話されている。

 しかし、正直なところ私はそれほど悲観してはいない。ラ・レアルが国際的なクラブの地位を確立する上での重要な役割を久保が担っていることを考えると、契約が2029年まで残るため、彼の退団を食い止めるためにまだ何かできることはたくさんあるように思えるからだ。すでに決定事項と思われるスビメンディの移籍を阻止することよりも、久保を引き留めることに力を注ぐと私は思っている。

 それはもちろん簡単ではないだろうが、久保は退団を切望しているわけではないだろうし、最初にオファーを提示してきたチームに簡単に移籍するとも思えない。

 実際、7月末に行なわれる日本ツアーの宣伝ポスターで、中心に写っているのは久保だ。このことはラ・レアルでの彼の将来について多かれ少なかれ安堵感を示している。

 実のところ、地元のメディアで久保の将来について語られていることはほとんどなく、彼との間には一種の緊張した冷静さがある。サン・セバスティアンでは久保獲得に興味を示しているチームについての情報はほとんどない。そんななかでなんとなく聞こえてくるのは、主にプレミアリーグからの話だ。

 ただ、そうした噂も、久保に関するものよりも、アレックス・レミーロやブライス・メンデスといった、同じく市場価値の高い選手たちがこの夏に退団するかもしれないというものがほとんどだ。

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