三笘薫、途中出場でチームを救う今季9ゴール目 強気のウイング「縦勝負」も戻ってきた (2ページ目)
【ブライトンを敗戦から救う同点弾】
1-1。三笘の登場は同点で迎えた後半17分からだった。その5分後、早速ワンビサカに1対1で対峙すると、三笘は縦を突いた。このところ対峙する相手に「勝負」を避ける傾向にあった三笘だが、この日は少し強気だった。仕掛けのステップでそのマークを縦に外すと、左足で折り返したボールは、マット・オライリー(デンマーク代表)の手前で相手にカットされたが、挨拶代わりのプレーとしては上々だった。
2度目の見せ場が訪れたのはその2分後。同じく左サイドで迎えた1対1で、今度の相手はパケタだった。縦勝負は今回のほうがきれいに決まった。ブラジル代表MFを鮮やかなステップで縦にかわすと、中央で構えるダニー・ウェルベック(元イングランド代表)に左足の柔らかいキックを送り込んだ。相手にCKに逃げられたが、決定機に近い折り返しだった。
しかし、1-1で迎えた後半38分、ブライトンは逆転弾を許してしまう。ボーウェンのクロスボールをトマーシュ・ソウチェク(チェコ代表)に頭で決められたのだ。リーグ戦5戦勝ちなし(2分3敗)で迎えていたブライトン。悪い流れは続いているかに見えた。
時計の針が後半42分を回った頃だった。三笘がヤンクバ・ミンテ(ガンビア代表)とポジションを入れ替わった。そしてミンテは2度ほどワンビサカに1対1を挑んでいた。左サイドにフォーカスする展開になっていた。
過去に三笘が右サイドでプレーしたことはほとんどない。目を見張るようなウイングプレーを見せたこともない。右に適性があるようには思えないという印象だ。一方、両利きのミンテは左に回っても芸を出せる。交代で入ったばかりなので馬力もあった。そのワンビサカとのマッチアップに目は奪われがちだった。
ブライトンの右サイドには、MFとして交代で入ったブラヤン・グルダ(U-21ドイツ代表)が回っていた。後半44分、そのグルダの頭上に、MFディエゴ・ゴメス(パラグアイ代表)からふわりとした優しい対角線のクロスが送られた。気がつけば、三笘はするすると神出鬼没な動きでゴール正面にポジションを取っていた。
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