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堂安律と板倉滉「オランダ・フローニンゲン時代」に寝食をともにして戦った仲間は特別 (2ページ目)

  • 了戒美子●取材・文 text by Ryokai Yoshiko

【お互いを褒め合う堂安と板倉】

 移籍当初、苦労したのは板倉のほうだ。堂安は加入初年度からレギュラーとして活躍を見せたが、板倉は加入してから半年間は試合に出場するチャンスがいっさいなかった。板倉が「最も苦しい時期だった」と振り返るのは、この半年間だ。

 板倉が試合に出場し始めた2019-20シーズン、堂安はオランダの強豪PSVへと羽ばたいていった。後輩である堂安が、常に一歩先をいく格好だ。

 オランダでチームメイトだったふたりは、のちに戦いの舞台をドイツに移す。

 まずは2020-21シーズンに堂安が期限付きでビーレフェルトに行った(1シーズンでPSVに戻ったのち、2022年からフライブルクへ)。その翌シーズン、今度は板倉がドイツ2部のシャルケへ期限付き移籍。ふたりがブンデスリーガで戦うようになったのは、2シーズン前の2022-23シーズン以降のことだ。

 その2022-23シーズン、前半戦の対戦は板倉が出場停止で、後半戦の一度だけふたりは対戦。堂安は途中出場で、板倉はフル出場し、結果はスコアレスドローだった。

 2023-24シーズン、前半戦は板倉が負傷中で、後半戦の対戦では板倉がフル出場、堂安は途中出場で1点を決めた。結果はフライブルクが3-0で勝利している。

 2024-25シーズン、前半戦の対戦でようやくふたりが揃って先発。堂安が1点を決めてフライブルクが3-1で勝利している。ちなみに板倉のチームメイトの福田師王は「今季の前半戦で最も印象に残ったのはこの試合の堂安選手」と話している。そして後半戦の対戦は4月12日、堂安が左足クロスで決勝点をアシストし、フライブルクが2-1で勝利している。

 試合後のふたりは、ほとんど同じ内容の話をしていたのが印象的だった。

 堂安はボルシアMGについて、「メングラ(ボルシアMGの意味)は前線4人の選手のクオリティが高い。それにプラス、滉くんでなんとかやってるじゃないかな。

(板倉が)最後の1枚の壁じゃないですけど、(チュクビケ・)アダムのシュートもそうですし、僕のシュートもそうですし、滉くんが途中から6番(中盤)に行ってくれたことが正直、俺らとしては助かった。ディフェンダーとして、最後の壁として彼がいないのは、非常に助かりました。あそこの(アシストになった左足)クロスも、滉くんがセンターバックだったらはね返されているかもしれないし」

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