中村敬斗のプレミアリーグ移籍の可能性は? 今季あと4ゴールでビッグクラブからのオファーも... (2ページ目)
【代表では三笘・前田を脅かす存在】
今シーズン11ゴール目。クラブのトップスコアラーであり、リーグ・アン全体のランキングでも10位タイ。25試合で4ゴールに終わった昨シーズンを大幅に上まわっている。スタッド・ランスは降格ソーンとわずか2ポイント差の15位に低迷しているが、中村は好調だ。
当然、日本代表を率いる森保一監督の評価も変わる。左ウイング、左ウイングバックのファーストチョイスは三笘薫であり、大ブレイク中の前田大然が現時点ではプライオリティで上をいく。
しかし、彼らとタイプの異なる中村が貴重な戦力であることに疑いの余地はない。日本代表が北中米ワールドカップで優勝を目指すのなら、生粋のウイングや類稀(たぐいまれ)なハードワーカーとともに、2列目、トップ、ウイングを器用にこなす中村のようなタイプは戦略・戦術の幅を広げる意味でも絶対に必要だろう。
プランAを軸に世界最速でワールドカップの出場権を獲得した今、ある程度はプランBにトライすべきだ。必要以上にメンバーを固定すると組織は歪み、出場機会に恵まれない選手が不満分子に変身する。ネガティブな情報を外部に漏らしたケースを幾度となく見てきた。
中村が森保監督に反旗を翻す、とは言っていない。日本代表のレベル向上のためには、ありとあらゆるタイプのタレントを有効活用すべき、という筆者の考え方だ。中村が今シーズンの好調を維持し、よりパフォーマンスに磨きがかかれば、三笘と前田の立場も危うくなる。この競争力が、日本代表を強くするのだ。
「ゴールにこだわっているところは、指導者からすると最高評価ですね。『打ち出の小槌』のように振れば入るみたいな......。彼の技術の高さかなと思います」
森保監督の発言からも、中村に対する確かな期待がうかがい知れる。
今シーズンの大目標はスタッド・ランスのリーグ・アン残留に貢献し、中村個人としては15ゴール以上だろうか。この記録は一流ストライカーの証(あかし)と言っていいだろう。昨シーズンのリーグ・アンではキリアン・エムバペ(現レアル・マドリード)、ジョナサン・デイヴィッド(リール)をはじめわずか5人。狭き門である。
そして15ゴール以上をクリアした時、中村は移籍市場の上位に浮上してくる。リーグ・アンに精通し、フィリップ・トルシエ元日本代表監督の通訳を務めていたフローラン・ダバディ氏も、「ビッグクラブからオファーが届きそうですから、スタッド・ランスが留めておくのは難しいですね」と語っていた。
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