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抜群の攻撃力誇るバルサと堅守速攻のインテルが激突...チャンピオンズリーグ(CL)4強決定

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki

 チャンピオンズリーグ(CL)準々決勝が終わった。舞台から去ったのはレアル・マドリード、バイエルン、アストン・ビラ、ドルトムントで、準決勝の組み合わせはアーセナル対パリ・サンジェルマン(PSG)、バルセロナ対インテルに決まった。

 ウィリアムヒルほか英国ブックメーカー各社の予想によれば1番人気はバルセロナ。以下、PSG、アーセナル、インテルの順で続く。組み合わせは1番人気(バルサ)対4番人気(インテル)。2番人気(PSG)対3番人気(アーセナル)だ。

 しかし、上位3チームの優勝予想オッズは僅差だ。このなかでPSGとアーセナルのどちらかは準決勝で消える。その分だけオッズは抑えられている。組分けに恵まれたバルサが両者の間隙を縫って浮上したとの見方もできる。

 レアル・マドリードに快勝し、準決勝進出を喜ぶアーセナルの選手たち photo by Burak Akbulut/Anadolu via Getty Imagesレアル・マドリードに快勝し、準決勝進出を喜ぶアーセナルの選手たち photo by Burak Akbulut/Anadolu via Getty Imagesこの記事に関連する写真を見るまず、バルサとインテルだ。

 PSG対アーセナルががっぷり四つに組んだ撃ち合いになることは予想できる。ともにオーソドックスな4バック同士の対戦で、スタイルも似ている。だが、バルサとインテルはそうならない。インテルは5バックになりやすい3バックで戦う変則スタイルのチームだからだ。噛み合わせはよくない。攻めるバルサ、守るインテル。インテルの攻撃はラウタロ・マルティネスを軸とするカウンター主体になることが予想できる。

 バルサがインテルの守備的サッカーの罠にはまった試合として記憶されるのが、2009-10シーズンの準決勝、セカンドレグだ。ジョゼップ・グアルディオラ対ジョゼ・モウリーニョの一戦である。モウリーニョはバルサでボビー・ロブソン監督時代は通訳、ルイス・ファン・ハール監督時代はアシスタントコーチを務めていた過去がある。グアルディオラはその時代、バルサの中心選手としてピッチに立っていた。

 モウリーニョがピッチに姿を現わすと、カンプノウはブーイングの嵐に包まれた。だがモウリーニョは萎縮することなく、恐ろしい手を使った。

 ピッチに立ったメンバーが、記者席に配布されたメンバーと違っていることにまず驚かされた。ゴラン・パンデフ(マケドニア代表)の姿はなく、クリスティアン・キブー(ルーマニア代表)が立っていた。

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著者プロフィール

  • 杉山茂樹

    杉山茂樹 (すぎやましげき)

    スポーツライター。静岡県出身。得意分野はサッカーでW杯取材は2022年カタール大会で11回連続。五輪も夏冬併せ9度取材。著書に『ドーハ以後』(文藝春秋)、『4-2-3-1』『バルサ対マンU』(光文社)、『3-4-3』(集英社)、『日本サッカー偏差値52』(じっぴコンパクト新書)、『「負け」に向き合う勇気』(星海社新書)、『監督図鑑』(廣済堂出版)、『36.4%のゴールはサイドから生まれる』(実業之日本社)など多数。

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