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チャンピオンズリーグでインテルがじわりと存在感 3-5-2を機能させる2トップの強さ (3ページ目)

  • 西部謙司●文 text by Nishibe Kenji

【せわしない現代のサッカーで珍しい】

 今のインテルのサッカーは「つまらない」と言われた時代とよく似ているので、本来は面白くないはずなのだが、あまりにも堅実で淡々とした感じはせわしない現代のサッカーでは珍しく、ちょっと落ち着く気もする。

 かつての北欧にも似た、無駄を削ぎ落した機能性と安定感、重厚感。ほぼ誰もドリブルしないし、トリッキーなコンビネーションは少ない。たまに炸裂するカウンターの鋭利さ、2トップのパワフルなプレーが魅力。

 1990年代は正直つまらない試合が多かった。昔のサッカーだから面白く感じないのではなく、リアルタイムでそう思っていた。基本、サッカーはつまらないものだと。娯楽性の点では底の時期だった。ところが大半がそうしたチームだと退屈なのに、1チームだけだと懐かしい気もするから、不思議なものである。

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著者プロフィール

  • 西部謙司

    西部謙司 (にしべ・けんじ)

    1962年、東京生まれ。サッカー専門誌「ストライカー」の編集記者を経て2002年からフリーランスに。「戦術リストランテ」「Jリーグ新戦術レポート」などシリーズ化している著作のほか、「サッカー 止める蹴る解剖図鑑」(風間八宏著)などの構成も手掛ける。ジェフユナイテッド千葉を追った「犬の生活」、「Jリーグ戦術ラボ」のWEB連載を継続中。

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