久保建英に現地紙はヴィニシウス、エムバペを超える評価 価値急騰のレアル・マドリード戦 (2ページ目)
【ヴィニシウスと技の応酬】
もっとも、ヴィニシウスも黙ってはいない。30分、久保が背後から追いかける形になった一瞬、右足アウトサイドで完璧なスルーパス。これをエンドリッキが左足のループでGKの頭上を破った。
すると前半終了間際には、久保もやり返す。右サイドから一気にカットインし、マークが遅れたヴィニシウスに後ろから抱きかかえられるようにして倒れる。PKの笛は鳴らなかったが、ヴィニシウスはファウル覚悟だったろう。この判定は、その後も尾を引くのだが......。
後半に入って、久保とヴィニシウスは"壮絶な殴り合い"とも、"楽器の奇跡的な共鳴"とも形容できる技の応酬を見せる。
71分、久保はフランス代表のカタールW杯ファイナリスト、カマヴィンガを翻弄し、クロスを送る。一度はブロックされるが、こぼれ球を拾ったパブロ・マリンが縦へ切り込み、オウンゴールを誘った。さらに80分、久保は右サイドのスクランブルから相手に当たったボールで抜け出し、縦に侵入。アドバンテージを取ったマイナスのパスを送ると、オヤルサバルがシュートしたボールが敵に当たり、ゴールネットを揺らした。
この時点では逆転に成功し、ラ・レアルは勝ち上がりの権利を得ていた。
しかし、レアル・マドリードの伝統、マドリディスモ(マドリード主義)とも言われる絶対的な勝利主義はその真価を見せる。
82分、ヴィニシウスは反転からアマリ・トラオレを置き去りにする。そのままドリブルでゴールライン近くまで持ち込み、最後はジュード・ベリンガムのゴールをアシスト。久保の活躍に呼応するようなドリブルだった。
ヴィニシウスは、交代出場したトラオレが試合にフィットできていないのを見抜いたようだった。得点の3分後にも狡猾に裏へ抜け出し、パスを受けると、決定機を作り出した。これがCKになって、オーレリアン・チュアメニがヘディングで同点弾を突き刺した。
「3-3になったシーンは、(ヴィニシウスのシュートのシーンで)エムバペの明らかなオフサイドがあったのに、なぜ笛が吹かれなかったのか?」
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