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【プレミアリーグ】リバプールFWサラーはもっと評価されるべき フットボール史に刻まれる「エジプトの三大神秘」だ (2ページ目)

  • 粕谷秀樹●取材・文 text by Kasuya Hideki

【3年ぶり2度目のアシスト王も】

 バイエルンのハリー・ケイン、アタランタのマテオ・レテギ、バルセロナのロベルト・レヴァンドフスキ、パリ・サンジェルマンのウスマン・デンベレが20ゴールを獲っているとはいえ、アシスト数が物足りない。彼らのなかで最多はケインとデンベレの6。レテギは3、レヴァンドフスキは2でしかない。各リーグとも終盤を迎えており、ふたケタのアシストは難しい。

 また、サラーはリバプール加入後、常にふたケタのゴールを刻んできた。8シーズン連続の10ゴール以上はルーニー、アグエロ、ケイン、アンリ、フランク・ランパード、サディオ・マネ、ソン・フンミンとともに、プレミアリーグでは8人しかいない。

 今シーズンもゴールに関与できなかったのは、ノッティンガム・フォレスト戦(ホームとアウェー)とアウェーのクリスタル・パレス戦のわずか3試合だけだ。

 ユルゲン・クロップ前監督とアルネ・スロット現監督のアタッキングフットボールにマッチしたサラーがボールを持った瞬間、対戦相手は恐怖と緊張感に苛まれる。巧妙で力強い1対1、ペナルティボックス内に進入してフィニッシュに絡むプレーは、リバプールの最強ポイントだ。

 2018-19シーズンと2020-21シーズンを除き、アシストもふたケタに達している。2021-22シーズンは13アシストでランキングトップだ。今シーズンはすでに17アシスト。2位につけるブレントフォードのミッケル・ダムスゴーら3選手は10アシスト。3年ぶり2回目のアシスト王に輝く可能性も高い。

 アシスト数が急増している要因は、戦略・戦術の変化である。クロップ体制下に比べると、サラーのプレーエリアはよりゴールに近くなった。サイドに張るよりも全体が見渡せるようになった結果、味方を巧みに使っている。

 かつてマネが激怒したようなセルフィッシュな突破(2019-20シーズン4節バーンリー戦。幾度のチャンスにサラーがマネにパスを出さなかった)は少なくなり、32歳にして数段グレードアップしたようにも感じられる。

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