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旗手怜央が今季実践しているコンディショニング「試合後にウェイトトレーニングを行なっている」 (4ページ目)

  • text by Harada Daisuke

【身体の充実は精神の充実にもつながる】

 トレーニング以外では、やはり食事と睡眠だろう。食事については、シェフにお願いして、献立を用意してもらっているが、試合後は前述したようにエネルギーを補給するために炭水化物を摂取するようにしている。個人的に、試合後はお米が食べられないタイプなので、米粉の麺やパスタを用意してもらうなど、工夫してもらっている。

 ちなみに、たまのご褒美としては、チョコレートを食べる時もある。実は甘い物は大好物。シーズン中は身体に影響が出るかもしれないからといって、すべてを断ちきってしまうと、それがストレスになりかねない。ストレスは身体に表れることもあるだけに、気分転換やリフレッシュもかねて、妻が食べるタイミングで一緒に軽くつまむ時もある。そうした心のゆとりや余裕も、今季のプレーに影響しているのかもしれない。

 ただ、今綴った内容もこれが完成形ではないように、これからもそのときどきで身体との向き合い方は変わっていくだろう。大事なのは、自分の身体を知り、自分に何が合うか、何が最適かを知ることだ。

 今季開幕したばかりのころは、昨季ケガを繰り返した事実に、不安が頭を過ることもあった。だが、それも新たな習慣によって、自分のコンディションが維持されるようになってからは不安も消え、思いきりプレーできるようになった。

 自分のプレーに自信を持って戦えている今季は、ピッチに立てば、それを体現できると自負している。準備とは、その自信を後押ししてくれるベースと言えるだろう。

 誰かと比べるのではなく、自分自身に言い聞かせることができる。

「自分はこの試合に向けて、これだけ回復して、これだけ準備してきた」

 ピッチの上で、全力を尽くすための安定剤のようなものだと思っている。身体の充実は、精神の充実にもつながる。心身が安定しているからこそ、ピッチで躍動することができる。

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著者プロフィール

  • 旗手怜央

    旗手怜央 (はたて・れお)

    1997年11月21日生まれ。三重県鈴鹿市出身。静岡学園高校、順天堂大学を経て、2020年に川崎フロンターレ入り。FWから中盤、サイドバックも務めるなど幅広い活躍でチームのリーグ2連覇に貢献。2021年シーズンはJリーグベストイレブンに選ばれた。またU-24日本代表として東京オリンピックにも出場。2022年3月のカタールW杯アジア最終予選ベトナム戦で、A代表デビューも果たした。2022年1月より、活躍の場をスコットランドのセルティックに移して奮闘中。

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