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上田綺世、遠藤航が途中出場で果たした役割は? チャンピオンズリーグ(CL)決勝トーナメント開幕 (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki

【アジアからは4人の選手が出場】

 一方、リバプールの遠藤は後半34分という試合が押し詰まった時間での交代となった。パリ・サンジェルマン(PSG)とのアウェー戦。遠藤の出場時間は上田の半分にも満たなかった。ところが0-0で推移していた試合は、そこから動いた。

 PSGが終始、優勢を保ちながら推移していた一戦。何度となく訪れた決定的なピンチをGKアリソン・ベッカー(ブラジル代表)のスーパーセーブで切り抜けてきたリバプールに、突如、チャンスが巡ってきたのは後半42分だった。

 立役者は、遠藤とともに途中交代でピッチに送り込まれたハーヴェイ・エリオット(元U-21イングランド代表)。GKのキックを収めたダルウィン・ヌニェス(ウルグアイ代表)のパスを左足で鮮やかに流し込んだのである。

 遠藤はこの間、何をしたというわけではなかった。右のインサイドハーフとして、つなぎをそつなくこなしたが、結果的には悪い流れを変える役割を果たすことになった。なによりこの重要な試合の、重要な局面で投入されたということに意義がある。出場時間がほとんど与えられなかった1、2カ月前までと比べれば、遠藤の状況は大きく好転している。

 ただしこのPSG戦のリバプールは、内容では大きく劣った。勝利を飾ったことが奇跡のような試合だった。レアル・マドリードとともに優勝候補に挙げられるチームとしては不満が残る内容である。このままでは苦戦必至、前途多難だ。アルネ・スロット監督はチームをどう立て直すつもりなのか。

 バイエルンの伊藤にも、出番が回ってきそうな場面があった。レバークーゼン戦の前半早々、CBキム・ミンジェ(韓国代表)が負傷。治療に時間を費やす間、急ピッチでウォーミングアップに励んだが、結局、キム・ミンジェは回復し、後半44分までプレーすることになった。

 キム・ミンジェがベンチに退く際、代わって入ったのはエリック・ダイヤー(イングランド代表)だった。CBとしての伊藤の序列が高くないことが判明した瞬間だった。もうひとつプレー可能な左SBにしても、この日先発したアルフォンソ・デービス(カナダ代表)とラファエル・ゲレーロ(ポルトガル代表)が立ちはだかっている。出場機会を得ることは、簡単ではなさそうである。

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