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久保建英への現地メディアの本当の評価 監督はゴラッソを絶賛「主役になろうとしていた」 (3ページ目)

  • ウナイ・バルベルデ・リコン●取材・文 text by Unai Valverde Ricón

【称賛の嵐】

 久保のスーパープレーは試合後、大きな注目を集めることになった。久保同様に勝利の立役者となったGKアレックス・レミロは、久保のチームにおける存在価値について、「タケはあのようにアクティブな動きを見せると、チームに多くのものを与えてくれる。僕たちは彼を何度も探し、カウンターで彼をうまく利用した」と強調。股抜きでのゴールについては「僕には彼が左にドリブルし、右足やツマ先でシュートを打たないことはハッキリとわかっていた。彼にはわずかな選手しかできないドリブルの才能がある」と冗談混じりに称賛した。

 DFアイエン・ムニョスは、「後ろからあのプレーを見ていたけど、オヤルサバルのパスはとてもよかったし、タケのプレーは信じられないほどすばらしかった」と脱帽した様子を見せた。

 久保のパフォーマンスは対戦相手のなかでも話題になっていた。ビジャレアルのMFデニス・スアレスは、「ラ・レアルにはタケ・クボのような違いを作り出す選手がいたので、試合が決まったんだ」と勝敗を分けた理由を述べていた。

 ビジャレアル戦の久保に対する地元紙の賛辞も尽きなかった。クラブの地元ギプスコア県の主要新聞『エル・ディアリオ・バスコ』でラ・レアルの番記者を務めるベニャト・バレット氏は、「タケ・クボがアノエタ(レアレ・アレーナ)の熱気を高めた」「ゴールを決めるまでトライし続けた。彼はセルジ・カルドナがスペースを探すために自分のポジションを放棄したことを察知し、迷わず向かっていった。クラック(名手)のゴラッソだった」と評し、この試合のMVPに挙げた。

『ムンド・デポルティボ』紙ギプスコア版は、「決定的な役割を果たすクラック。ピッチの4分の3を疾走し、頭でボールを受け、最後の局面でキコ・フェメニアを振りきり、完璧なゴールを決めた。ラ・レアルのチャンスは彼の煌めきから生まれたものだ。彼が得点すれば、ラ・レアルは常に勝ち点を獲得し、たいていは勝利する。今季(公式戦)5点目を記録した」と本紙に掲載した。

 ラ・レアルの地元で2番目に読まれている『ノティシアス・デ・ギプスコア』紙ではクラブの番記者ミケル・レカルデ氏が、「ラ・レアルの大スターであり、チームで最も決定的な選手。現在、単独のプレーで試合の流れを変えられる唯一の存在となっている」と絶賛していた。

(髙橋智行●翻訳 translation by Takahashi Tomoyuki)

著者プロフィール

  • 高橋智行

    高橋智行 (たかはし・ともゆき)

    茨城県出身。大学卒業後、映像関連の仕事を経て2006年にスペインへ渡り、サッカーに関する記事執筆や翻訳、スポーツ紙通信員など、リーガ・エスパニョーラを中心としたメディアの仕事に携わっている。

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