久保建英への現地メディアの本当の評価 監督はゴラッソを絶賛「主役になろうとしていた」 (2ページ目)
【チームメイトは久保を探し出す】
生まれながらにスター性のある選手がいるが、久保もそのひとりだ。幼少期から大きな期待を寄せられている彼が、目指すものになるために足りなかったのはラ・レアルのような環境だけだった。ビジャレアル戦はラ・レアルでの久保の実力を示すいい例だ。
イマノルは試合後、「久保は我々が試合に勝つために探さなければいけない選手のひとりであるとわかっていた。彼はとてもいい形で試合に入り、主役になろうとしていたように見えた。私はいつも彼にそうなることを求めている」と説明した。
試合は両チームともリスクを冒さないことを優先したため、拮抗した展開となった。このような状況下になると、チームメイトは試合を引き寄せるため常に久保を探し出す。イマノルが言うように彼は集中力を高めてこの一戦に臨み、DFセルジ・カルドナに対する華麗な股抜きで試合を始め、すばらしい個人技を披露し続けた。さらに身長20センチ以上の差があるDFウィリー・カンブワラとの空中戦にも勝利した。
しかし、久保が勝機を見出したのは後半に入ってからだった。オヤルサバルはいつものように本能的に顔を右に向けると、そこには研ぎ澄まされた久保がいた。パスに近いクリアでMFダニエル・パレホの背後にボールを送る。ビジャレアルのキャプテンがスピードに弱いことを彼はわかっていた。
久保は誰よりもそれを信じ、先読みしてゴールに向かっていった。中盤から長い距離を走り、DFキコ・フェメニアがペナルティーエリア内でカバーに入るとスピードを緩める。その時、スタジアム全体がこのプレーは終了したという雰囲気に包まれた。
しかし、いい選手は予測できないプレーを見せるものだ。久保は突然、股抜きでキコ・フェメニアを抜き去りシュート。ポスト内側を叩いてゴールネットを揺らした。これはカルロス・ベラ(現ロサンゼルスFC。2011~2017年までレアル・ソシエダに在籍)のラ・レアルでのベストゴールを彷彿とさせるものだった。
イマノルはゴールにつながったこの一連のプレーについて、「あのプレーは久保の意欲の表われだ。彼にはあのようなことできる天性の才能がある。しかしそれを発揮するためには常にそうしたいと望み、アグレッシブになる必要があるし、私が得点とアシストに関してウイングに要求する数字を達成するというメンタルを持たなければならない」とその能力を信じ、より多くを求めていた。
2 / 3